
食糧や衣類、神頼みまで!?戦国時代の合戦中の差し入れ「陣中見舞」には何が喜ばれていたのか?:2ページ目
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人事を尽くして神仏頼み?
他にも戦国時代らしい陣中見舞として、神仏の御加護を願う贈り物も喜ばれました。
例えば寺社では巻数(かんじゅ)と呼ばれる目録を贈りますが、これは「あなたの勝利を祈祷して、これだけお経を上げましたよ」という申告書類です。
また正月の護符として知られる牛玉宝印(ごおうほういん)も近江の多賀神社から贈られました。
また伊勢御師(おし。伊勢信仰の伝導者)である村山太夫が小牧・長久手の合戦に望む小早川秀包(ひでかね)に神宮大麻と打鮑を贈っています。
神宮大麻(じんぐうたいま)とはお伊勢さんの御札。昔は麻で奉製されました。
また打鮑(うちあわび)とは細く切ったアワビを打ちのばした干物。敵を打つ(撃つ)ことから、勝栗(かちぐり)や勝魚(かつを)と共に縁起物とされています。
終わりに
今回は戦国時代の陣中見舞について紹介してきました。読了、誠にありがとうございます!
それにしても、苦しい時の差し入れって、本当に沁みるものですよね。
また戦国時代の面白い話を紹介したいと思うので、よろしくお願いいたします!
※参考文献:
- 盛本昌広『増補新版 戦国合戦の舞台裏 兵士たちの出陣から退陣まで』洋泉社、2016年9月
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