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大河ドラマ「どうする家康」史実をもとにライター角田晶生が振り返る 徳川家康の跡継ぎは次男?三男?それとも四男?戦なき世に相応しい後継者の資質【どうする家康】

徳川家康の跡継ぎは次男?三男?それとも四男?戦なき世に相応しい後継者の資質【どうする家康】

次男の結城秀康?それとも四男の松平忠吉?

……正信は三河守殿こそ元よりの御長子といひ。智略武勇も兼備はり給へば。此殿こそまさしく監國にそなはらせ給ふべけれと申す。
直政は下野守忠吉卿然るべしといひてやまず。其外もまちまちにして一決せず。……

※『東照宮御実紀附録』巻十一「家康議世子」

議論の口火を切ったのは本多正信。

「三河守殿は今生きている中で最も年長。知略と武勇を兼ね備え、徳川の家督を継ぐに不足ありますまい」

三河守とは家康の次男・結城秀康。かつて豊臣秀吉の養子に出され、後に結城晴朝の養子にたらい回しされていました。

すると、井伊直政がこれに反論します。

「いやいや、下野守殿こそ殿の跡継ぎに相応しかろうて」

下野守とは家康の四男・松平忠吉。関ヶ原の合戦では直政と共に最前線で活躍しました。

それを皮切りに、みんなあれこれ言いたい放題。誰がいいだの悪いだの、めいめい意見がまとまりません。

「こんな時、岡崎三郎様さえご健在ならば……」

平岩親吉が一人ぼやいたかどうか、かつて彼が傅役を務めた、亡き松平信康(家康の長男)を惜しんだことでしょう。

3ページ目 戦なき世に相応しい資質は

 

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