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「どうする家康」もう君と同じ星は見えない…第40回放送「天下人家康」振り返り:4ページ目
戦国人のメンタリティについて
これまで今川義元(野村萬斎)・織田信長(岡田准一)・武田信玄(阿部寛)・武田勝頼(眞栄田郷敦)・北条氏政(駿河太郎)など、数々の強豪たちと対峙してきた神の君。
世代交代が行われつつある今、そんな家康はもはやレジェンドと化しつつあったようです。
だから、みんな彼を恐れているのだとか……しかし、その描写には違和感が否めません。
確かに家康は約250万石と抜群の勢力を築き上げた傑物。それは誰もが認めるところでしょう。
(大河ドラマの劇中で、武田勝頼と数年間にわたって八百長合戦をしていたとか、そういう創作はこの際忘れて下さい)
しかし他の大名や武将たちだって、それぞれの地域で戦国乱世を闘い、したたかに生き抜いてきた猛者たちです。
また若い世代にしても、父や兄たちが戦いに臨む姿を真近に見ていますし、自分たちもその時に備えて研鑽を怠らなかったことでしょう。
「相手が強ければ、ひとまずは従っておこう。だけど、もし何かあればその首を俺がとって、成り代わってやろう」
そういう野心的な発想や価値観こそが武士たちの活力であり、戦国時代を楽しむ醍醐味と言えます。
家康に恐れおののく前田利長を描写するなんて、筆者が前田家の末裔なら苦情を入れてやりたいところです(実際やるかはともかく)。
もっと眼をギラギラさせていて欲しい。みんな生きるために、殺し殺されの修羅場をくぐり抜けた勇士たちです。名前の知られた大名や武将だけでなく、足軽や雑兵の一人ひとりに至るまで。その自覚を持って欲しい。
そういう熱気に触れられるからこそ、戦国時代というジャンルは人気が高いのではないでしょうか。
あと2ヶ月ほどありますから、今後の熱演に期待しましょう!
第41回放送「逆襲の三成」
さて、何やかんやで豊臣政権の主導権を握った我らが神の君。しかしこのままで収まるはずがありません。
予告画面を見るとウィリアム・アダムス(村雨辰剛。のち三浦按針)が登場し、大谷吉継(忍成修吾)が病のため覆面をし始めました。
そして久しぶりの鳥居元忠(音尾琢真)。彼は三成たちをおびき出す囮として、伏見城に討死することになります。
後世「三河武士の鑑」と謳われる鳥居元忠の最期を、心して見届けましょう!
※参考文献:
- 『徳川実紀 第壹編』国立国会図書館デジタルコレクション
- 小和田哲男 監修『必見!関ケ原』岐阜県関ケ原古戦場記念館、2023年3月
- 笠谷和比古『論争 関ケ原合戦』新潮社、2022年7月
- 谷哲也『シリーズ・織豊大名の研究7 石田三成』戎光祥出版、2018年1月
- 堀新『日本中世の歴史7 天下統一から鎖国へ』吉川弘文館、2009年12月
トップ画像:大河ドラマ「どうする家康」公式HPより
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