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「どうする家康」絶体絶命の危機を乗り越え、神の君が無事に生還。第29回放送「伊賀を越えろ!」振り返り:5ページ目
光秀の最期と辞世
さて、秀吉によってあっけなく滅ぼされた光秀。徹頭徹尾イヤな爺ィに終わりましたね。
※公式サイトの人物紹介「旧時代の破壊者か、新時代の開拓者か」という触れ込みは何だったのでしょうか……。
個人的には「麒麟がくる」程美しい光秀ではなくても、「秀吉」のような真面目で優秀だけど、どこか信長とは反りが合わない光秀を期待していたので残念です。
本作で大暴落してしまった光秀の株が、また別の作品で見直されることを願っています。今回はそんな光秀の辞世を紹介しましょう。
心しらぬ 人は何とも 言はば言へ
身をも惜しまじ 名をも惜しまじ
※『真書太閤記』
【意訳】事情を知らぬ者たちは、敗れたという結果だけを見て、私のことを好き放題に貶すだろう。
まぁいいさ。私には私の信じる正義があって、そのために生命も名誉を擲ったのだから。お天道様は、見てござる。
そしてもう一つ。こちらは漢文調になっています。
順逆無二門 大道徹心源 五十五年夢 覚来帰一元
※『明智軍記』
【読み下し】順逆に二門なく、大道は心源に徹する。五十五年の夢、覚め来たれば一元に帰す。
【意訳】忠義を全うするのも謀叛を起こすのも、突き詰めれば誠の心より起こるものだ。五十五年の生涯を終えて、全てはどのみち変わらぬ結末に収束される。
こちらは何とも哲学的ですね。忠義も謀叛も同じこと、ただ私は天下の大義に殉じたまでだ。そんな光秀の矜恃が伝わって来ます。
ところで、光秀の兜首(本来、敵の首級をそんな粗末に扱いはしませんが、創作上の演出ということで)が秀吉本陣に持ち込まれた時、ナレーション(演:大竹しのぶ)の声がいつもと違いました。
「……あの男……(秀吉を指して、憎木々しげに)」
この事から、この語り部は春日局(かすがのつぼね。斎藤福)なのではないかと推測されます。
彼女の父親・斎藤利三(さいとう としみつ)は光秀の側近であり、主従ともども討たれていました。
春日局は晩年の家康と関係があるので、最終盤に登場するかも知れませんね。
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