- No.145【賛否両論】大河ドラマ『どうする家康』を振り返り見えてきた3つの「どうする」まとめ
- No.144「どうする家康」最後はみんなで海老すくい…最終回放送「神の君へ」振り返り
- No.143【最終回予習】本当に色々(1616年)あったね…徳川家康の死から「神の君」となるまで【どうする家康】
家康をはじめ戦国武将は泣いてばかり?武士たちの男泣きエピソード3選【どうする家康】:4ページ目
【結論】武士の涙は、あふれ出る強さがゆえ
以上、各種の文献から武士たちの涙を3例ほど紹介してきました。
共通して言えるのは、彼らが「他者を思って泣いている」こと。誰かの苦しみや悲しみを、他人事と割り切れない。そんな熱さを胸に宿して泣いています。
自分が痛いとか苦しいとか、辛いとか悔しいといった私情で泣いている者は、誰一人としていないのです。
仮にそういう理由で泣いている者がいれば、当時の武士たちも叱りつけ、あるいは内心で軽蔑したことでしょう。
他者へ強すぎる思いが両眼からあふれ出して止まらない。それが武士の涙であり、現代でも「男泣き」という言葉が残されています(もはや死語かも分かりませんが)。
果たして、松本潤が演じる徳川家康の涙はどうでしょうか。
家臣たちがそれぞれ最善を尽くしている中、ただ一人で泣いている。その胸中は察するよりなく、またどう感じるかは人それぞれですが、武士の涙はここ一番にとって置くもの。
家臣たちと苦楽を分かち合い、共に笑って泣いた家康。だからこそ家臣たちの心をつかみ、彼らと共に天下を獲れたのです。
本作の家康も、そんな主君に成長して欲しいと心より期待しています。
※参考文献:
- 菅野覚明『武士道の逆襲』講談社現代新書、2004年10月
- 『今昔物語集 巻第25』国立国会図書館デジタルコレクション
- 五味文彦ら編『現代語訳 吾妻鏡 8 奥州合戦』吉川弘文館、2010年4月
- 『徳川実紀 第壹編』国立国会図書館デジタルコレクション
バックナンバー
- No.145【賛否両論】大河ドラマ『どうする家康』を振り返り見えてきた3つの「どうする」まとめ
- No.144「どうする家康」最後はみんなで海老すくい…最終回放送「神の君へ」振り返り
- No.143【最終回予習】本当に色々(1616年)あったね…徳川家康の死から「神の君」となるまで【どうする家康】
- No.142「どうする家康」共に乱世の夢を見ようぞ!第47回放送「乱世の亡霊」振り返り
- No.141二代将軍・徳川秀忠には息子が二人、どちらが将軍に相応しいか家康が課した試験とは?