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大河ドラマ「どうする家康」史実をもとにライター角田晶生が振り返る 家康をはじめ戦国武将は泣いてばかり?武士たちの男泣きエピソード3選【どうする家康】

家康をはじめ戦国武将は泣いてばかり?武士たちの男泣きエピソード3選【どうする家康】:4ページ目

【結論】武士の涙は、あふれ出る強さがゆえ

以上、各種の文献から武士たちの涙を3例ほど紹介してきました。

共通して言えるのは、彼らが「他者を思って泣いている」こと。誰かの苦しみや悲しみを、他人事と割り切れない。そんな熱さを胸に宿して泣いています。

自分が痛いとか苦しいとか、辛いとか悔しいといった私情で泣いている者は、誰一人としていないのです。

仮にそういう理由で泣いている者がいれば、当時の武士たちも叱りつけ、あるいは内心で軽蔑したことでしょう。

他者へ強すぎる思いが両眼からあふれ出して止まらない。それが武士の涙であり、現代でも「男泣き」という言葉が残されています(もはや死語かも分かりませんが)。

果たして、松本潤が演じる徳川家康の涙はどうでしょうか。

家臣たちがそれぞれ最善を尽くしている中、ただ一人で泣いている。その胸中は察するよりなく、またどう感じるかは人それぞれですが、武士の涙はここ一番にとって置くもの。

家臣たちと苦楽を分かち合い、共に笑って泣いた家康。だからこそ家臣たちの心をつかみ、彼らと共に天下を獲れたのです。

本作の家康も、そんな主君に成長して欲しいと心より期待しています。

※参考文献:

  • 菅野覚明『武士道の逆襲』講談社現代新書、2004年10月
  • 『今昔物語集 巻第25』国立国会図書館デジタルコレクション
  • 五味文彦ら編『現代語訳 吾妻鏡 8 奥州合戦』吉川弘文館、2010年4月
  • 『徳川実紀 第壹編』国立国会図書館デジタルコレクション
 

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