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「どうする家康」織田・徳川の同盟、藤吉郎の尻、氏真のゲスっぷり…第4回放送「清州でどうする!」振り返り:4ページ目
嫌がる瀬名を無理やり……氏真ゲスっぷりは本当か
一方の駿府では、元康の裏切りに対する見せしめとして、その瀬名が氏真の夜伽役に堕とされました。
劇中でも言及された通り、関口家は今川家に連なる名門。その娘にこんな仕打ちをすれば、さすがに関口氏純(演:渡部篤郎)も黙ってはいなかったでしょう。もし事実であれば。
もちろん諸々フィクションで、氏真がそんなゲスな振る舞いに及んだ史料はありません(近年の研究で発見された、とかなら別ですが)。
一族のために氏真の寝所へ赴きながら、これ見よがしに(第一回放送で元信があげた)木彫りの兎を持っていたことで、火に油を注いでしまった瀬名。
氏真は脇差で瀬名の指を切り、血文字で「たすけて せな」……あえて仮名遣いにはツッコみません。これは視聴者への配慮というものです。
また駿府から清州へ運ぶまでの間に血が乾いて変色しないのか、などとも言いません。やっぱり血は鮮やかに赤い方が怖いですからね。
きっと家臣の誰かが気を利かせて、赤い染料でも上塗りしたのでしょう。でも、脅迫したいならもう一押し足りない感じ。
こういう時は耳か鼻を切り落として書状と一緒に送りつけるのが効果的。でないと血が本当に瀬名のものか、リアリティが出ません(ドラマ的にNGなら、髪をバッサリ切って添えるとゲス感が高まります)。
しかしこんなわざとらしい手口で動揺するくらいなら、最初から「たまたま勝っただけ」の(将来的な安定性に欠ける)織田に寝返るべきではありません。
罠じゃないの?と疑ってかかるまでもなく、一笑のもとに破り捨てるくらいのメンタルでないと、たちまち詐欺の餌食です。
それはさておき、氏真の名誉にかかわる大事なことなので二度繰り返しますが、氏真が瀬名を手籠めにしたような事実はどの史料にも記されていません。
関口氏純についてはこの件に関連して永禄5年(1562年)に切腹を命じられたとあり、妻の巴(演:真矢ミキ。関口夫人)も後を追って自害したと伝わります(『松平記』による)。
ただし氏真が永禄7年(1564年)・同9年(1566年)に関口伊豆守(氏純。ほかに伊豆守を称した者はいない)について言及した文書を発行しているため、元康の裏切りからしばらく後まで生きていたようです。
なお血文字と言えば元康の幼少期、於大の方(演:松嶋菜々子)が竹千代(元康)の無事を願って、自分の血で阿弥陀経を書いて奉納したエピソードがあります。今回の暴挙は、それが元ネタになっているのでしょうか。
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