「鎌倉殿の13人」実朝が死に、義時がついに頼朝を超える?第45回放送「八幡宮の石段」振り返り:4ページ目
義時と運慶
「天下の運慶(演:相島一之)に神仏と一体になった自分の像を造らせ、頼朝様のなしえなかったことをしたい」
すべての政敵が一層され、鎌倉殿さえいなくなった鎌倉に君臨する義時。その野望の集大成は自らの神格化でした。
義村は「頼朝気取りか」なんて言っていましたが、義時はそれを超えようと躍起になっていたようです。今まで「鎌倉のため」と連呼しながら、いざ自分が頂点に立てば本性をむき出しにします。
そんな俗物だからこそ、欲得で仏像を量産する運慶の俗物ぶりを見抜き、人の心を打つ野望の権化を造るよう命じたのでしょう。
ちなみに、義時が自分に似せた仏像を造らせたとか、運慶がカネ儲けのために弟子たちを使って仏像を彫らせたというのは大河ドラマの創作です(念のため)。
自らを神仏と一体化するような義時だからこそ、朝廷から親王殿下をお迎えする話を「死んだ者(実朝)に気を遣ってどうする」と一蹴、北条泰時(演:坂口健太郎)は激しく反発しました。
しかし、死んだ者に気遣いは無用と本気で思っているなら、今まで頼朝の遺志を継ぐという大義名分はすべて自分の都合に過ぎなかったのでしょうか。
「そうだ」と言ってのけるのが大河ドラマの義時。まったく身も蓋もありませんが、そこへ立ちはだかるのが俺たちの泰時。
「面白い、受けて立とう」
可愛い太郎のために泰平の(と言うより北条の)世を築き上げたい義時。そんな父の闇を許せず、真っ直ぐに立ち向かってくる泰時。それはもう可愛くて仕方ないはずです。
なかなかのこじらせ具合ですが、あと3回の放送で親子の対決がどのように決着するのか、今後も目が離せません。