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「鎌倉殿の13人」ついに鎌倉殿の鎌倉離れ?愛想を尽かした義時は…第44回放送「審判の日」振り返り

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泰時が勧めた腹巻(鎧)

さて、万が一の備えとして束帯の下に腹巻(鎧)を着込んでおくよう勧めた泰時。実朝はこれを断りますが、ならばせめて脇差だけでも「太郎のわがまま」を聞いて下さいと食い下がります。

自分に対する(恐らくは恋愛対象から側近としての)好意を知った上で手札を切った泰時の可愛さと、仕方なくわがままを受け入れた実朝のやりとりが印象的でしたね。

ちなみに『吾妻鏡』だと実朝に腹巻を勧めたのは大江広元(演:栗原英雄)。成人してこのかた一度として涙を流したことのない広元が「かつて頼朝様が東大寺供養に臨んだ時のように、今回も腹巻をして下さい」と懇願します。

しかし仲章がこれを一蹴。脇差だけでも……というのは大河ドラマの創作です。

……覺阿成人之後。未知涙之浮顏面。而今奉昵近之處。落涙難禁。是非直也事。定可有子細歟。東大寺供養之日。任右大將軍御出之例。御束帶之下。可令着腹巻給云々。仲章朝臣申云。昇大臣大將之人未有其式云々。仍被止之……

※『吾妻鏡』建保7年(1219年)1月27日条

なお、出発に際して髪を結ってくれた宮内公氏(くない きんうじ)に対し、自分の髪を一本抜いて記念として渡します。そして庭先に咲く梅の花を愛でつつ詠んだのがこちら。

出ていなば 主なき宿と なりぬとも
軒端の梅よ 春を忘るな

【意訳】私が出て行ったら、もう二度と戻らない。それでも梅よ、春を忘れずに咲いておくれ。

完全に殺されることを分かっている口ぶりです。南門から出発する際には八幡様のお使いである鳩がやたらとさえずり、牛車から降りれば太刀を引っかけて折るなど縁起の悪いこと尽くし。まさに死亡フラグの大売り出し状態でした。

5ページ目 直衣始の遅れ

 

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