「鎌倉殿の13人」ついに鎌倉殿の鎌倉離れ?愛想を尽かした義時は…第44回放送「審判の日」振り返り:2ページ目
義時と白い犬の夢
大河ドラマの冒頭、闇の中で義時と向かい合った白い犬。これは前年(建保6・1218年)7月9日に義時が見た夢と思われます。
……御夢中。藥師十二神將内戌神來于御枕上曰。今年神拝無事。明年拝賀之日。莫令供奉給者。御夢覺之後。尤爲奇異……
※『吾妻鏡』建保6年(1218年)7月9日条
薬師如来を守護する十二神将の一柱・戌神(跋折羅大将)が夢枕に立って言うには「今年は無事だったが、来年の拝賀にお供してはならない」とのこと。
目が覚めた義時は薬師如来をお祀りする御堂を建立。この時、北条泰時(演:坂口健太郎)と北条時房(演:瀬戸康史)は民の負担が重くなるからと反対しますが、義時は自腹だから問題ないと決行しました。
そして12月2日に運慶(演:相島一之)の造った薬師如来像を安置します。大河ドラマでは「他のはこれから届く」ということだったので、すべての像が揃ったのが12月2日で、みんなで面白ポーズ大会が開かれたあの場面は11月下旬ごろでしょうか。
後に運命の1月27日、義時は鶴岡八幡宮で夢に見た白い犬と再会したことで具合を悪くし、拝賀における太刀持ちの役を仲章と交代してもらうのでした。
……去月廿七日戌剋供奉之時。如夢兮白犬見御傍之後。御心神違亂之間。讓御劍於仲章朝臣。相具伊賀四郎許。退出畢。而右京兆者。被役御劔之由。禪師兼以存知之間。守其役人。斬仲章之首。當彼時。此堂戌神不坐于堂中給云云。
※『吾妻鏡』建保7年(1219年)2月8日条
そうと知らない公暁は義時と思って仲章を斬ったのですが、この時に義時の守り神であった戌神は御堂の中にいなかったと言います。もしかしたら、あの白い犬は戌神の化身だったのかも知れませんね。