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教育本の完全パロディ、江戸時代のエロ本「女大楽宝開」の内容が具体的すぎて…【前編】
Japaaan読者の皆さんこんにちは、ライターの小山桜子です。今回は江戸時代のエロ本を読んでみました。読んだのは、知る人ぞ知る春画の名手、月岡雪鼎(つきおかせってい)の「女大楽宝開(おんなだいがくたからべき)」。
このエロ本、「女大学宝箱」という貝原益軒の著書を基にした真面目な女子教育本の完全パロディなのです。元ネタと見比べながらさっそく読んでいきましょう(内容は原文のままではなく必要に応じて漢字に変換するなど手を加えています)。
女子の教育方法
冒頭のエロい和歌のページをめくると、本編が始まります。
どれどれ、
「一、父母ももとよりその道を好みたるゆえに子孫も尽きざるなり」
……確かにその通りですわ。
「女子はあまり親親正道厳しければ、かえって鋭く害になりて、色気を放し愛嬌を失い、夫の心に叶わざる事ままあるゆえに、成人ののち二親を恨み、夫婦の仲悪しくなり、終には追い出され法界ぼぼとなる事、誠に悲しきことにあらずや。これ皆親己が若き時の淫乱を忘れ、厳しく育てたる故なり」。
親があまり厳しく育てすぎると、その娘は夫と仲が悪くなってついには離縁されて悲しい結末を迎える、という警鐘のようです。ちなみに「ぼぼ」というのは女性の陰部の異称ですので、「法界ぼぼ」とは恐らく誰とも縁のない孤独なぼぼ、という意味なのでしょうか?
この元ネタは「女大学宝箱」の一文。
「父母寵愛して、ほしいままに育てぬれば、夫の家に行きて、必ず気随にて、夫に疎まれ、又は、舅の教え正しければ、堪えがたく思い、舅を恨み誹り、仲悪しくなりて、終には追い出され、恥を曝す。(中略)これ皆、女子の親のおしへなき故也」。
元ネタの内容は全く逆で、親がしっかりしつけないと夫に疎まれ離縁される、という内容です。これを読むと一言一句丁寧に、見事なまでにパロディ化されていることが分かりますね。
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