江戸時代に書かれた日本で最初の魚釣りガイドブック「何羨録(かせんろく)」
現在でも人気のあるアウトドアとして知られている魚釣り。近年では女性でも釣りに出かけるという方は多くなりました。「釣り」といえば、もともとは漁師の生業。
それが、漁師でもない一般庶民の間に浸透していくのは、江戸時代になってからとされています。長辻象平の著した「江戸の釣り」によると、「釣り文化は、平和の訪れ・江戸湾の地形・仏教思想からの解放・テグスの伝来・・・の四条件」がそろうことで開花した」とあります。
武将として釣りの楽しさを最初に発見したのは伊達政宗。家臣を連れてハゼ釣りに明け暮れていたそうです。
その後、江戸に入り武士の間で始まった釣りは、五代将軍綱吉による「生類憐みの令」で十数年間ほど禁止されますが、やがて庶民の間にも浸透して入門書も出版されるようになりました。注目すべきは当初から女性も釣りの面白さを知り、大名の婦人や姫君、旗本の奥方も釣糸を垂れていたのだとか。
2ページ目 日本最古の魚釣りの専門書「何羨録(かせんろく)」
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