ペットを愛し介護もしていた。 関心持ったら最後、人々を魅了する縄文時代、そして縄文人:2ページ目
ペット埋葬に、介護も。心優しい縄文人
考古学の研究によると、縄文人は犬をペットとして大変可愛がっており、犬の死後にはきちんと埋葬していた事が分かっています。ある墓地では丁寧に埋葬された犬の骨の側に、飼い主が置いたのであろう花束の花粉がごっそり固まって見つかっているのです。
画像:犬と縄文人(国立科学博物館の模型)Wikipediaより
更に縄文人骨の研究では、重篤な脊椎性小児麻痺の跡がありながらもきちんと成長して寿命を全うした人骨が見つかっているそうです。この事実は幼児期からの長期に渡る周囲の手厚い介護があった事を示しており、縄文人がいかに心優しく、叡智に満ちた人々であったかを示しています。
極限まで洗練された美しい縄文カレンダー
春には地面に芽吹いた若菜を摘み、夏には川辺で魚を釣り、秋には木々からの恵みの実を採集したり栄養豊富な秋鮭を食べ、冬には肥えた動物たちを必要最低限だけ狩猟し食べる。縄文研究の第一人者、小林達雄氏が提唱する縄文カレンダーを通して見えてくる縄文の一年間は、四季の恵み豊かな日本に生きる生物として極限まで洗練された美しい人間の営みです。そこには食料廃棄問題など存在しません。稲作に頼る事もないので弥生時代以降のように飢饉に悩む事もなかったと言われます。縄文が1万年以上続いた秘密はこの食文化にもあるようです。