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神社の境内に大きな草輪。6月夏越の祓「茅の輪くぐり」の作法や由来を紹介

神社の境内に大きな草輪。6月夏越の祓「茅の輪くぐり」の作法や由来を紹介:2ページ目

茅の輪くぐりのお作法

なんとなく、すっと通り過ぎてしまいそうな大きな輪っかですが、茅の輪のくぐり方には決まりがあるのです。

くぐる時には「水無月の夏越の祓する人は、千歳(ちとせ)の命延(の)ぶというなり」と唱えながら、まず左足から踏み入れ 、左回り → 右回り → 左回り、と∞の字を書くように3度くぐり抜けます。

地方や神社によっては、細かな作法が異なる場合もあるので、説明書きなどに従って茅の輪をくぐって下さい。

どうして茅の輪なの?

夏越の祓では、なぜ茅の輪をくぐるのでしょうか。神代の昔、スサノオノミコトが「疫病が流行したら、茅の輪を腰につけなさい」と蘇民将来に伝え、疫病が流行ったときにそのとおりにしたところ、疫病から免れることができた、という故事に基いています。

衛生状態がよくなかった時代には、夏は伝染病の発生しやすい時期でした。病気の原因がウィルスや病原菌によるものだと知らなかった当時の人々には、流行り病は自分たちに下された神罰の一種と考えられていたため、身についた穢を祓うために夏越の祓は行われました。

夏越の祓では、茅の輪くぐりの他、紙で作った形代(かたしろ)、人形代(ひとかたしろ)に名前、年齢を書き、自分の汚れを形代に移して川などに流したり、篝火を焚いたりする行事も行われます。紙の代わりに藁などで人形を作る地域もあるようです。

夏越の祓に食べる和菓子

大祓は、江戸時代を代表する俳人・小林一茶も「形代にさらばさらばをする子かな」との句を詠んでおり、年中行事の一つとして広く行われた、季節の風物詩でもありました。

京都では、夏越の祓の日に和菓子の「水無月」を食べる習慣があります。6月を代表する和菓子の水無月は、氷を表した三角形のういろうの上に、邪気を払うあずきがのったもの。お砂糖が貴重だった時代、甘いお菓子は、暑い夏を乗り切るためのエネルギー補給でもあったようです。

現代の日本にも多く残る、季節を感じられる年中行事の一つ、大祓。元気に1年の後半を過ごせるように、お参りしてみてはいかがでしょうか。

参考サイト

 

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