【豊臣兄弟!】さよならの予感…蜂須賀正勝(高橋努)が秀吉に捧げた不滅の“友愛”と史実が伝える最期:3ページ目
正勝の秀吉への思いがわかる名場面
正勝と秀吉の深い絆を感じる場面はさまざまありましたが、個人的に特に心震えた場面は二つでした。
第22回『播磨大誤算』。
秀吉は、尼子勝久(渡邉蒼)と山中幸盛(廣瀬友祐)が死守する上月城の救援を信長に依頼するも、切り捨てられてしまいます。
かつて自分を頼ってきた二人を見捨てるわけにはいかない、けれどもこのままでは秀吉陣営も全滅の危険も。
高倉山の陣で尼子軍が籠る上月城を見守りながら、一人粥を炊く秀吉の後ろに正勝は無言で控えていました。
「わしは……どうしたええんじゃ。」と声を震わせて泣く秀吉を慰めようとしたのか、正勝はそっと立ちあがり声をかけようとしますが口を真一文字に結び無念の表情を浮かべつつ何も言えませんでした。
涙を堪えていたのだと思います。
「助けてくれる」と自分を信じている相手を見捨てなければならない、そんな断腸の思いに苦しむ相手にかける言葉はありません。
突然降り出した雨に「熱い粥が冷めるではないか!」と天に向かって怒鳴る秀吉には胸が痛くなりました。
そこに竹中反兵衛が倒れたという報が。
「殿……潮時でございます。殿……」
慟哭する秀吉を見守っていた正勝だからこその、冷酷さや見捨てる感はないながらも決断を促す言葉。
土砂降りの中ひざまづいて、上月城に向かい土下座する秀吉。
「…引き上げじゃ!」
血を吐く思いで叫んだ秀吉の胸中は正勝だけが知り、同じ痛みを感じていたことでしょう。
そして、第28話『急げ!秀吉』。
備中高松城にて「信長討たれる」の小一郎からの手紙を受け取った秀吉は、あまりの衝撃に信じられず使者の前野長康(渋谷 謙人)にも黒田官兵衛(倉悠貴)にも「こんなことは信じぬ!」と激怒して当たり散らし、手紙を破り捨てます。
「この手紙が小一郎殿の筆跡であることは殿もよくわかっているはず」と、痛ましい表情を浮かべて静かに秀吉をなだめる正勝。
この受け入れ難い辛い現実を伝えたのが、もし官兵衛なら、クールに「情報のみ」が伝わったのかも。
正勝の言葉には、秀吉へのいたわりや思いやりが込められていました。
ある時は笑えて、またある時は涙を誘う。そして、ある時は「変わりゆく秀吉を案ずる」本音をこぼす。
そんな秀吉と正勝の関係を表現する数々の伏線があっての、今回の「わしの惚れた男かどうかじゃ」の名場面につながったのだと思います。
