『豊臣兄弟!』刀狩り令に見る“泰平の世”の決定的なズレ…秀長と秀次の対立、引き裂かれる豊臣の絆
大河ドラマ「豊臣兄弟!」第43回放送「殿下の刀狩り」では、豊臣秀吉(池松壮亮)が佐々成政(白洲迅)の一揆を繰り返させまいと、日本全国に刀狩令を発布します。
※第43回放送に関して、こちらの記事もご覧ください。
【豊臣兄弟!】「刀狩り令」はどこまで史実?町人を庇う秀長は脚色?秀吉が恐れた一揆と真の狙い
今回は一日も早く戦国乱世を終わらせ、天下泰平をもたらそうとする豊臣政権の歴史的一歩が描かれましたが、天下一統を成し遂げただけで平和な世が訪れる訳ではありません。
秀吉が民衆から武器を取り上げて従わせようとする一方、豊臣秀長(仲野太賀)は領民の理解を得ながら刀狩りを進める様子が対照的でした。
また刀狩りの進め方を巡って秀次(山田涼介)との間に対立が生じ、命令通り真面目に刀狩りを秀次が割を食ってしまったようです。現代社会でも、秀長や秀吉のような「融通」がモノを言う場面が少なくありません。
今回は、秀吉と秀長が目指す「泰平の世」の違いと、秀長と秀次の対立に注目しながら第43回放送「殿下の刀狩り」を振り返ってまいりましょう。
秀吉が目指した「泰平の世」とは?刀狩令に込められた天下人の決意
佐々成政が肥後国衆の一揆を煽動したとして、秀吉は切腹を命じました。この一揆を繰り返させぬよう、秀吉が刀狩令を発しています。
戦国乱世において、刀槍弓などの武具は自らの身を守ったり、時には権力者の理不尽に抗うための手段でもありました。まさに自力救済の手段として、生活必需品の一部だったと言えるでしょう。
しかし天下人となった秀吉とすれば、全国各地の民衆が独自に武力を保持することは、新たな謀叛の火種となりかねません。
そこで秀吉は民衆から武具を取り上げ、全国の治安や秩序を保とうとしたのです。この時ただ武具を取り上げるだけでなく、取り上げた武具を大仏建立の資材の充てようとしました。
武具を戦いに使うのではなく、仏道を広める功徳として役立てようと呼びかけたのです。かつて権力者が泰平の世を願って大仏を建立したのと同じ理想が、秀吉によって掲げられたのでした。
しかしその理想を実現するために、秀吉は自身の持つ強大な権力を行使します。戦をなくすために武具を取り上げるという理想は美しいですが、命令に従わない者はどう扱うのかという問題は尽きません。
平和を実現するための政策が、新たな不満や反発を生み出す様子が、劇中でも描かれていました。
2ページ目 秀長が目指した「泰平の世」とは?刀ではなく民心をからめとる


