【豊臣兄弟!】松永久秀の最期に残された“平蜘蛛”の謎…本物と偽物をめぐる第20回を考察:4ページ目
「人間に本物だのまがいものだのは関係ない」
二人の説得に「わかった」と頷いたものの、久秀は兄弟の目の前に平蜘蛛を二つ並べ「どちらが本物か見極めろ」と無理難題をふっかけます。
兄弟が審美眼を持っているかを確かめたかったのではなく、どう対応するかを知りたかったのではないでしょうか。
二つの茶器を見比べながら兄弟コントを繰り広げる二人ですが、こういうときはやはりピンチに強い小一郎。
「見切ったぞ!」とばかりに「まがいものの平蜘蛛はこっちじゃ」と、一つを庭に向かって投げつけようとすると、慌てて久秀が止めました。その様子を見て「これが本物じゃ!」と勝ち誇る小一郎。久秀は「そうきたか」と負けを認めました。
小一郎は「人にまがいものはないと存じまする。百姓じゃろうが侍じゃろうが皆、本物。いつわりもいずれまことになると。松永殿は本物であります。」
「誰でもが生きていく価値がある。そういう社会を作っていくのだ」という、これもドラマの根底に流れるテーマを感じた場面でした。
「お前たちこそ本物じゃ。本物の大馬鹿者じゃ。」
久秀は二人の説得に応じてくれたかと思いましたが。
「何が本物で何が偽物かなど、そんなものはどうでもいい!」
「ようやったの〜小一郎」「わしに違いなどわからんわ」と言いつつ、喜びあう豊臣兄弟でしたが、突然爆発音が響き、同時に黒煙に包まれてしまいました。
立て続けの爆音に、これはいかんとばかりに駆けつけると炎に包まれた久秀の姿が。
「約束が違いまする」という兄弟に「戦、戦の世の中にはもう飽きた。先に逝って待っていると、信長に伝えよ」と言いつつ、
「今までの話は全て嘘じゃ。平蜘蛛も二つとも偽物じゃ。わしは、本物を手に入れることはできなかった。お前が壊そうとしたのは父が作った贋作じゃ!なにゆえ、止めたのかはおのれにもわからぬ……………と言ったら信じるか。」と、最後までふざける久秀。
「またそれかい!」となる兄弟に、「何が本物で何が偽物かなど、そんなものはどうでもいい!」「紛い物をうれしそうに愛でる信長の姿をあの世からとくと楽しませてもらうわ」と、言い放ち、千秋万歳万々歳、千秋万歳万々歳と謡いながら、大量の爆弾を火に焚べ大爆発とともに久秀はこの世を去りました。
爆破に巻き込まれてボロボロになった兄弟が持って帰ってきたのは、偽物の平蜘蛛。「松永殿はもとより偽物しかお持ちでではなかった」と告げる二人に、冷静に「そうか、これはお前らにくれてやる」と信長。
兄弟が役目を果たしたことは認めてくれました。

