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時代劇の“峰打ち”や“白刃取り”は実戦で使えるのか?日本刀の構造から必殺技をリアル検証

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速くて重たい刀を止めるには、相手が振り下ろした刀よりも時間が必要です。

相手が振りかぶったのを目視した瞬間、もう間に合わず頭は真っ二つになることでしょう。

よしんば相手の動きの先読みがばっちりで、タイミングよく刀に触れられたとしても、瞬間的にパッと静止させることはできません。

刀は90度の角度で振り下ろされるため、止める側も刀のスピードを止め続ける必要があります。

実際には刀の慣性の法則があるのでこちら側に向かう速度が落ちず、手の平をすり抜けるか、ちょうど盛り上がった手のひらの肉をそぎ落として、そのまま頭に到達してしまうとのことです。

刀を「軍配で受ける」のは?

戦国時代の名場面といえば、武田信玄と上杉謙信の川中島の合戦。

千曲川と犀川を挟んでにらみ合う両軍、ここで有名なのは信玄側に走りこんできた馬上の上杉謙信が、刀を振りかぶり、椅子に座って軍配を持つ武田信玄に襲いかかるというもの。信玄はガツッと軍配で刀を受け、謙信は走り去ります。

かっこいいけど、これこそ嘘っぽい~、軍配で受け取ることできるの?と思う方も多いでしょう。しかしこれは逆に「あってもおかしくない」のです。

軍配はただの飾りではなく、立派な武具としての機能もあり、素材は鉄製など頑丈なものが多くあります。

軍配は盾とまではいえませんが、日本刀で鉄を切れるかというとそうではありません。しかも狙ってくるのは鎧で覆われていない兜と首の間。相手の狙っている箇所を守っていれば、そう難しくはないですね。

この事件自体が史実かどうかはともかく、軍配で刀を受け止めるのは、物理的に不可能ではありません。

参考:『科学でツッコむ日本の歴史』(集英社)

 

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