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大河「べらぼう」蔦重と鱗形屋、最後の共闘!新章で大きく動き出した様々な”夢”を史実とともに考察【前編】

大河「べらぼう」蔦重と鱗形屋、最後の共闘!新章で大きく動き出した様々な”夢”を史実とともに考察【前編】:2ページ目

保守的な鶴屋VS型破りな蔦重の違い

恋川春町は、駿河小島藩の武士で、江戸に住みながら幕府や他藩と情報を交換しあう江戸留守居役。今でいう外交官のような仕事が本業でした。朋誠堂 喜三二(尾美としのり)と同じです。

『金々先生栄花夢』以降も鱗形屋は、春町とタッグを組んで次々とヒット作を出版します。さらに続いて、友人の喜三二にも黄表紙を書かせ、盤石な体制を築き上げていきました。

しかしながら、鱗形屋は偽板事件などにより社会的に信用を失い、出版数はみるみる減少、営業不振に陥り江戸の出版界から姿を消すことになったのです。

デビューを支えてくれた鱗形屋に恩義を感じていた恋川春町は、取引先を鱗形屋から鶴屋喜右衞門(風間俊介)へと移すことになりました。

鶴屋は代々「地本問屋」(江戸時代の出版社兼流通業者)で、江戸の出版流通においてはなくてはならない存在。蔦重のことは嫌っていました。

江戸の出版業界を牛耳り、ルールを守らせようとする保守的なところもあった鶴屋VS新しく型破りな方法でのしあがっていく蔦重。気が合うわけはありません。

けれども、ドラマとは異なり、史実では「二人は協力しあって出版業界を盛り上げていこうとしていた」という説もあるそうです。

鱗形屋が本屋を畳むにあたり、鶴屋と手を組むことにした恋川春町。鱗形屋が鶴屋に借金があることを知ってのうえのことでした。

蔦重が「先生、自分とも組みませんか」と、耕書堂で本を出す誘いをかけるのですが、にべもなく断ります。

3ページ目 恋川春町を落とす!「100年後の江戸」という“夢”が誕生

 

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