
江戸時代の吉原遊廓で一夜を共にするといくら?花魁との遊びは今の価値で12万円超!【大河べらぼう】
天下御免の色里として栄えた吉原遊廓。そこではピンからキリまで、最大3,000~6,000人とも言われる遊女たちがひしめいていました。
彼女たちと遊ぶためには先立つものが必要となるのですが、果たしてどのくらいかかったのでしょうか。
という訳で、今回は吉原遊女たちと遊ぶ揚代(あげだい。料金)について紹介したいと思います。
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花魁と遊ぶなら12万円以上も?
吉原遊廓の揚代は、おおむね遊女のランクによって価格帯が決まっていました。
言葉で説明するより、一覧表にした方が分かりやすいでしょう。
吉原遊廓の揚代
遊女のランク | 揚げ代 | 現代の貨幣価値 |
呼出昼三 | 金1両1分 | 約125,000円 |
昼三(昼・夜コース) | 金3分 | 約75,000円 |
昼三(夜のみコース) | 金1分2朱 | 約37,500円 |
座敷持(昼・夜コース) | 金2分 | 約50,000円 |
座敷持(夜のみコース) | 金1分 | 約25,000円 |
部屋持(昼・夜コース) | 金1分 | 約25,000円 |
部屋持(夜のみコース) | 金2朱 | 約12,500円 |
散茶女郎 | 金1分~金2朱 | 約25,000~12,500円 |
梅茶女郎 | 金1分~金2朱 | 約25,000~12,500円 |
端女郎 | 金1分~金2朱 | 約25,000~12,500円 |
留袖新造 | 金1分~金2朱 | 約25,000~12,500円 |
※部屋持までがいわゆる「花魁」。
【江戸の貨幣価値】
1両 10万円=4分=16朱=4,000文
1分 2.5万円=4朱=1,000文
1朱 6,250円=250文
1文 25円※諸説あり。
基本的に遊女見習いである新造が客をとることはありませんが、留袖新造に関しては容姿や器量に恵まれないことから、早く客をとったと言います。
吉原遊女と遊ぶには、安くても1~2万円、最高ランクの呼出昼三(よびだしちゅうさん)では一晩で12万円以上もかかるのですね。
花魁について
ちなみに吉原遊女の代名詞とも言える花魁(おいらん)は、特定のランクではなく、部屋持(へやもち)以上の遊女を指す言葉でした。
呼出(よびだし)とは「指名で呼び出されるまで奥で待機している」ことから、昼三(ちゅうさん)とは「昼間の揚代が金3分であること」に由来します。
また座敷と部屋の違いは、座敷が2室(客間+自室)以上、部屋は1室(自室のみ)でした。
このような上級遊女を抱えられるのは吉原遊廓の中でも大見世や中見世に限られ、小見世ではなかなか厳しかったようです。