手洗いをしっかりしよう!Japaaan

伝説の仏師・運慶のギャラは天井知らず!国宝級の彫刻家が求めた報酬は想像以上の莫大さだった!

伝説の仏師・運慶のギャラは天井知らず!国宝級の彫刻家が求めた報酬は想像以上の莫大さだった!:2ページ目

莫大なギャラ

平泉といえば、今では金色堂の中尊寺が有名ですが、中尊寺に勝るほどの規模を誇った毛越寺という寺院があります。

この毛越寺の建立(再建とも)のさい、藤原基衡は、運慶に本尊の薬師如来像12神将像の製作を依頼しました。その報酬として、基衡が運慶に支払ったギャラは以下の通りです。

・金100両
・鷲の羽100尻
・アザラシの皮60余枚
・安達郡産の絹100疋
・希婦の細布2,000端
・糠部郡産の駿馬50頭
・白布3,000端
・信夫郡産の毛地摺1,000端

どんなアイテムなのか、ちょっと想像がつかないものもあるかも知れませんが、質・量的にかなり莫大なものだったことは想像に難くありません。

実際、現在の金銭価値に換算してもいくらになるか見当もつかないほど、莫大なギャラだと言えるでしょう。

特別報酬を贈るも…

これらの報酬に、さらに山海の珍味を添えて運ぶ輸送隊は、三年間絶えることなく東海道と東山道を往き来したといいいます。今のように大型の輸送トラックもない時代ですから当然ですね。

しかも運慶の作品製作レベルには上・中・下のランクがあり、基衡が選んだのは「中」ランクだったというから驚きです。

さらに、基衡が特別報酬として生美絹を舟三艘に積んで送り届けたところ、運慶は「うれしいけど、生美絹より練絹の方がもっと良かった」と話したとか。

これを受けて基衡は、すぐに舟三艘分の練絹を送り届けました。

信仰心ゆえに見返りを求めないどころか、運慶は一流の彫刻家としてしっかりギャラを要求していたのです。

参考資料:歴史の謎研究会『舞台裏から歴史を読む雑学で日本全史』2022年、株式会社青春出版社

画像:photoAC,Wikipedia

 

RELATED 関連する記事