縞模様の”シマ” は ”島”のこと!江戸庶民に人気だった縞模様は南国の「島」からもたらされた柄だった
こんにちは。華やかな浴衣姿が見受けられる季節ですね。
着物といえば、数ヶ月前のサントリー美術館で開催されていた「名品迷品」という展覧会で衝撃の発見がありました。
縞の語源は島⁉
着物の柄としておなじみの縞。江戸時代に町人を中心にブームとなり、多くの階級の人々に親しまれました。縦縞と横縞を組み合わせた格子柄も、一種の縞模様ですね。
で、この縞模様。展覧会の品物の中に、漫画家・楳図かずおさんのトレードマークのような、白地に真っ赤な横縞柄の器がひときわ目を引きました。
それは南蛮貿易で日本にもたらされたポリネシア諸島産の器で、その解説に「縞模様は南方の島々から伝わったため〈島もの〉〈島もよう〉と呼ばれ、そのことから縞模様の語源となった」という旨が書いてありました。
これには驚き。縞模様の“シマ”って“島”のことだったんだ…。
日本に縞柄の織物が本格的に伝わったのは室町時代だそうです。縞や格子縞に織られているものは当時、「間道(かんとう)」や「甲比丹(かぴたん)」などと呼ばれており、現在でもメジャーな柄が引き継がれています。
舶来の縞織物(名物裂)は、茶の湯の道具入れなどに使われていましたが、衣服にも縞柄が現れ始めるのは安土・桃山時代~江戸時代初期。縦縞よりも、横縞から流行ったようです。これにも地味に驚きました。
ページ: 1 2