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織田信雄(信長次男・浜野謙太)が惨敗!天正伊賀の乱「阿波口の合戦」を紹介【どうする家康】:3ページ目
「この瞬間を、待っていた!」伊賀国衆、かく戦えり
……斯の如きの猛勢、何れも生国の事なれば、地の利は能く知りたり、所々に要害を構へ、弓鉄砲を伏せ、鎗を合せ、太刀打し、透間もあらせず戦ひて、山岨谷の戸に、追ひ詰め追ひ詰め切り伏せければ、信雄方の軍勢共、攻めあぐみ、忙然として途方を失ひけるに、秋の日の暮れ易き、はや西山に影を隠さんとする折しも、時雨そぼ降り出し、往来の道も見わから寿”、……
※『伊乱記』巻之二「信雄卿阿波口合戦の事」
【意訳】伊賀衆はいずれも勇士ぞろい、しかも生まれ故郷ですから、地の利はよく心得たもの。
各所に砦を構えて弓鉄砲を配置。飛んで火にいる織田勢を一斉射撃、混乱したところへ殴り込み、槍で刀でメッタ討ち。
敵が押して来れば引き、肩透かしを食った敵の力が抜けたタイミングで押し返し……を繰り返す内、徐々に敵を追い詰めていきました。
やがて日が傾き、西山へ暮れゆこうとする頃合いになると、時雨が降り出します。あまりの雨足に往来の道も分からないほどでした。
……斯る時節を望む所の伊賀武者なれは、能き時刻を得たりぞと心得、片山隠れ■り、鬨の聲を揚げけれは、手合せしつる国武者共、合図の声を聞くより早く、諸方一度に■を合せて討て出で、暗きに紛れて、散乱して馳せ違う所の伊勢武者を、幽谷嶮難の切所、深田泥の方へ追ひ向せ、陸地の方より、もみ立てもみ立て攻■■れは、寄手の勢、難所に追ひ落され、同士討して自滅するもの、幾千といふ数を知ら寿”、……
※『伊乱記』巻之二「信雄卿阿波口合戦の事」
「この瞬間を、待っていた!」
土地勘のない雨の山路に戸惑う織田勢を一気に追い落とすべく、伊賀勢は一斉に鬨の声を上げました。
すっかり日も暮れて暗くなり、前後も分からぬ不安に駆られる織田勢は深い泥田へ誘い込まれ、混乱の末に同士討ち。
伊賀勢は足場の固い陸地からこれを次々と討ち倒し、織田勢の犠牲者は数千に及んだのでした。
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