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なぜ悪口でタコ!とは言うが、イカはないの?いつから悪口の一つになったのか
突然ですが、筆者は「男はつらいよ」シリーズが大好きです。
時々ふっと観たくなることがあるのですが、通称タコ社長っていますよね。寅さんと喧嘩になるときに「このタコ!」と寅さんが言いますが、そういやタコっていつから悪口の一つになったのでしょうか?
蛸があるなら烏賊という罵倒語があってもいいはず…。ということで調べてみました!
旗本vs御家人の喧嘩説
江戸時代、将軍に謁見できない「御目見(おめみえ)以下」である御家人の子どもたちをからかって、旗本の子どもが「以下」と言ったことに対し、御家人の子が「タコ」と言い返したことから定着した、という説。
要するに以下=烏賊と洒落にとらえて、蛸と言い返したわけですね。それが転じて身分の上の人をあざけって「タコ」「タコ野郎」と罵倒語になっていった、というのは妙に納得のできるところです。
民俗学者の柳田国男の「故郷七十年」にも、「養家の祖母の話に、身分のある侍の奥方たちが、以下の細君が来たのを見て『以下だ、以下だ』と蔑んだところ、相手は『タコとは申しません』といって逆襲したということであった。」という一節があるそうです。
坊さんに対しての蔑称
とある辞典には「たこ」の項目を引くと、こんな説明もありました。
「剃りあげた頭が蛸のようであるところから、坊主を蔑んでいう語」。
これはめちゃくちゃそのまんま、見た目を揶揄しているので最もらしくもあります!
はい、短いですが前者はいかにもダジャレ好きな江戸っ子がいいそうなことでもありますし、後者は生臭坊主を指した単刀直入な悪口でもあるので、どちらも可能性は濃厚!
どちらにしてもこの烏賊という罵倒語がない理由として納得です。ただ、江戸っ子特有の罵倒語でもあるらしいので、前者の方が濃厚な気がする筆者です。
それにしても浮世絵などには蛸が多く登場しますし、「蛸薬師」といって、薬師如来が海上をタコに乗ってやってきたという伝説が各地に点在しているほど、日本人にとって愛すべきキャラであることは間違いないですね。
参考:リファレンス共同サービス
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