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運慶の仏像が集結!「鎌倉殿の13人」との繋がりも見える展覧会『運慶 鎌倉幕府と三浦一族』開催中

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運慶と鎌倉殿の13人

この毘沙門天立像が、運慶作と判明した1959年の調査では、像の中から「文治五年に和田義盛と夫人である小野氏が願主となって運慶が作った」といった旨の銘札が出てきたため。

この銘文で、ピンときた方も多いのではないでしょうか。NHKの大河ドラマ「鎌倉殿の13人」で、横田栄司さんが演じているのがこの和田義盛です!

和田義盛は、鎌倉幕府二代将軍である源頼家を支える十三人の合議制のメンバーであり、これをNHKの大河ドラマ「鎌倉殿の13人」が描いているのは皆さんご存知の通りです。


そしてこの和田義盛の祖父にあたる人物の像が、展覧会の最初に登場する「三浦義明坐像(満昌寺蔵)」です。三浦義明は、のちに鎌倉幕府を開くことになる源頼朝に仕え、一族をあげて挙兵に協力をしました。

そうしたことからも、三浦一族はまさに鎌倉幕府をささえる重要な存在だったのです。


こちらは、「不動明王立像 1189年運慶作(浄楽寺蔵)」。

全体に量感豊かな体躯の像で、135.5センチと小ぶりながら、全体的に量感豊かな体躯と険しい憤怒の表情から、迫力が感じられます。


片方の目をつぶり、口を曲げて牙を上下に出した「天地眼」と呼ばれる表情をしており、こうした像例は平安時代中期以降の不動明王に見られるものです。

人間の表情に置き換えると存在しないものでありながら、なぜか真に迫るリアリティを持っているのは、運慶の卓越した技術の賜物。

目に嵌められた玉眼(水晶)も、生命感を生んでいます。

すでに大仏師であった運慶に仏像を作るように依頼ができたのも、三浦一族が極めて大きな力を持っていた証拠です。

学芸員の方によると「運慶に発注できるような人物は将軍以外では北条氏と三浦一族くらいだっただろう」とのことで、この地での三浦一族の存在感の大きさを示しています。

今回出展されている仏像を見ていくと、その裏に「鎌倉殿の13人」を感じることができるのです。

3ページ目 魅力的な仏像たち

 

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