運慶の仏像が集結!「鎌倉殿の13人」との繋がりも見える展覧会『運慶 鎌倉幕府と三浦一族』開催中:3ページ目
魅力的な仏像たち
今回の展示では、運慶とその工房で作られた仏像が数多く出展されています。
こちらは、「十二神将立像(曹源寺蔵)」。
運慶派あるいはその工房作と見られる、12体は今にも動き出しそうな躍動感にあふれています。
それぞれの表情も個性的で、愛着を持って見ることができるでしょう。
長く、同じ神奈川県の金沢文庫に寄託されており、12体揃っての展示は24年ぶりという貴重な機会です。
こちらは満願寺に伝わる「観音菩薩立像(右)」と「地蔵菩薩立像(左)」です。
まず圧倒的なのはその大きさ。いずれも2mを超える巨大さで、見た瞬間に声が漏れそうになるほど。
慈悲の仏である観音菩薩と、子供守護のご利益があるとされる地蔵菩薩ですが、こちらの二体は、こめかみの近くまで彫り込まれた切れ長のめと、しっかり結ばれた意志の強さを感じる口元の表情が特徴的です。
緊張感のあるつくりは、その背後に厳しい武家社会があったことを感じさせてくれます。
普段、お寺では秘仏となっており拝観することはできませんが、今回は特別に出展されています。
満願寺のご住職曰く「観音様たちもたまには、綺麗な海を見たいだろう」とのこと。
綺麗な海とはどういうことか。それは、ここ横須賀美術館のロケーションにあります。三浦半島の南に位置し目の前には太平洋から、東京湾の入り口にかけてのオーシャンビューが広がっています。
晴れた日には、遠くに房総半島も臨むことができる絶好のロケーションに建てれらているのがこの横須賀美術館なのです。
ここまでご紹介した像の他にも、極端な天地眼がウインクのように愛らしい「不動明王立像(満願寺蔵)」(写真)や、高く結い上げられた髻(もとどり)が特徴的で、のちの慶派の展開を考察する上で重要と位置付けられる、「聖観音菩薩坐像(無量寺蔵)など、三浦半島に残る貴重な仏像が集結しています。
ロケーションから見ても、仏像好きにとっても、鎌倉殿の13人ファンにとっても、逃してはならない展覧会です。
展覧会情報
開館15周年記念 800年遠忌記念特別展「運慶 鎌倉幕府と三浦一族」
会場:横須賀美術館
会期:2022年7月6日 (水) 〜 2022年9月4日 (日)
休館日:8月1日(月)
観覧料:一般 1,000(800)円、高校生・大学生・65歳以上 800(640)円、中学生以下 無料
*所蔵品展、谷内六郎館も観覧できます。
*( )内は20名以上の団体料金
*高校生(市内在住または在学に限る)は無料
*身体障害者手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳をお持ちの方と 付添1名様は無料