夏の風物詩!歴史は江戸時代まで遡る隅田川の花火大会を浮世絵で楽しもう:2ページ目
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《東都両国夕凉之図》歌川貞房
歌川国貞の門人・歌川貞房による作品です。
真っ黒な空に真っ赤な花火が映えます。この花火はパーティーのクラッカーのような描かれ方をしていますね。
両国橋の上にわいわいと押し寄せる人々を中心に、たくさんの屋形船など賑やかな様子が描かれています。
江戸時代、屋形船を出せるのは位の高い武家や裕福な商人だけで、一般庶民は川辺や橋の上から花火を見て楽しんでいたそうです。
《東都両国橋夕涼之景色》溪斎英泉 天保期(1830-43)
綺麗!わちゃわちゃして楽しそう!
江戸の人々の賑やかな生活音が今にも聞こえてきそうな、花火大会の賑やかさを全面に出した作品です。
色とりどりの浴衣でめいめいに楽しむ人々の様子は見ていて飽きません。
カメラのない時代に、大きくアーチを描く橋を中央に、両岸の家並みや橋の下の屋形船をやや極端な遠近法で描き、雄大で臨場感溢れるパノラマ的な構図にしたのも面白いです。
キラキラした空の表現も華やかで素敵!
最後に
今回は隅田川の花火大会を描いた浮世絵を紹介いたしました。
花火を美しいと思う心は、今も昔も変わらないようです。
今年は中止となってしまいましたが、色とりどりの花火が夜空に打ち上がる姿を再び見られることを願っています。
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