日本書紀にも記録が。人類が根絶に成功した感染症「天然痘」と日本人の歴史:2ページ目
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日本人と天然痘
日本では「日本書紀」に天然痘と見られる記載が確認されている。また、737年には九州を中心に天然痘が大流行し、時の政治権力を掌握していた藤原4兄弟が相次いで死亡。天然痘によるものと考えられている。奈良にある大仏の建立は、天然痘の流行が1つのきっかけのようだ。
その後も、日本では定期的に大流行を繰り返し、時の天皇や、歴史的著名人の感染記録も多数残されている。独眼竜で有名な伊達政宗などの感染が有名だ。
1796年、イギリス人医師エドワード・ジェンナーは、牛の牛痘から天然痘に対する効果的なワクチンの存在を証明。1848年に日本にもたらされた。
国内では、医師の緒方洪庵(おがたこうあん)を中心としてワクチン拡大事業が推進され、天然痘予防に貢献する。
現在
ワクチンの誕生により、天然痘の罹患者は徐々に減少傾向を辿り1955年に国内最後の感染者を確認。1977年、ソマリアで感染が確認された患者が、事実上世界最後の天然痘感染者となった。
1980年、WTOは「世界天然痘根絶」を宣言。人類史上初めてにして唯一、根絶に成功した感染症となった。
ただし、現在の日本では定期的な予防接種は行われておらず、免疫保有者はほぼいないと考えられているため、生物兵器として用いられた場合の天然痘対策が懸念されている。
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