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レアな番付「横綱大関」とは?大相撲2020年春場所の番付表を解説します!

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2020年春場所は横綱・鶴竜が「横綱大関」

2020年春場所の番付表には、他の場所の番付では見られない「ある違い」があります。
西横綱・鶴竜の四股名と出身地の上には、「横綱」ではなく「横綱大関」と書かれています。

これは、本来は東西に最低1人は必ずいなければならないはずの大関がこの場所は貴景勝1人となってしまったため、横綱である鶴竜が大関の役割も兼任することを意味しています。

横綱が正式に力士の最高位とされるまで最も高い力士の地位だった「大関」は、それだけ重要な地位なのです。

「司」みたいな字が並んでいるのは、なぜ

さて、2段目の十両力士の四股名の後には、幕下力士の四股名が続きます。
ここで番付表には、大きな変化が見られます。

それまで「前頭」と書かれていた場所に、急に「司」のような文字が並び始めます。
さらに1段下の三段目の番付以下になると、「司」がさらに簡略化されたような字となっています。

実はこれは「司」ではなく「同」で、「前頭に同じ」という意味です。

元々「前頭」とは、平幕力士だけを指す用語ではなく「前相撲の頭」を指していたとされています。「前相撲」は番付外のため番付表には載っていませんが、その前相撲より格上という意味で、横綱・三役以外の平幕力士から序ノ口力士までが全て「前頭」と記載されることになっているのです。

番付表を書いているのは誰?

さてこの番付表を書いているのは、いったい誰なのでしょう?

実は番付表を書くのは、土俵上で取組を裁いている行司の仕事です。行司は入門すると、番付表の相撲字をマスターするために、徹底的に習字を練習します。

ただ、現在筆者の手元にあるような印刷された番付表は、実は原本を4分の1くらいに縮小して印刷されたもの。いくらベテランの行司さんでも、針のような極細文字はさすがに書けないそうですよ。

参考
『好角家入門/番付表の見方』
『力士の世界/33代木村庄之助』角川ソフィア文庫

 

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