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本来の意味は”立ったまま死ぬ”こと。「立ち往生」という言葉と弁慶の因果とは
言葉や慣用句の歴史は古い。日常的に使っている表現も本来はまったく異なる意味であったり、思いもよらない語源が存在することもある。そんな言葉のルーツを紐解いてみたい。
「立ち往生」とは
みなさんはこの言葉をどのような場面で使用するだろうか?「車が渋滞に巻き込まれて立ち往生」とか「事故で電車が立ち往生」などと表現するのが一般的だろう。この表現は正しい。立ち往生には【身動きの取れない状態】や【進退が極まる】といった意味がある。
しかし、元々の語源は異なっている。本来の意味は【立ったまま死ぬこと】なのだ。正直、読んで字の如くであり驚きはないのだが、問題はなぜ語源と違う意味で浸透しているのかという点である。
実はこの理由にはある歴史上の人物が関係している。
武蔵坊弁慶
それがこの人。かの有名な武蔵坊弁慶だ。弁慶は平安時代末期の僧兵で、源義経の郎党として仕えたとされている人物。長い日本の歴史の中でも有名な人物の一人だが、存在を証明する歴史的資料は少なく、「吾妻鏡」や「平家物語」に名を確認できる程度。その生涯や功績は謎に包まれている。
真実のほどは定かでないが、時の権力者であった源頼朝に追い詰められた義経に付き従い、奥州・平泉の地で共に果てたとするのが定説となっている。
最後は自刃のためにお堂に籠もった義経を庇い、敵の弓矢を受けて立ったまま絶命したという。
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