身代わり伝説は本当か?今も眠る源義経の首級と胴体の「謎」を紹介【上】:2ページ目
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「義経公」の胴体が眠る判官森
さて、義経公の首級が藤沢の地に眠っている一方で、残された胴体はどうなったのでしょうか。
伝承によると、義経公の胴体は判官森(はんがんもり。現:宮城県栗原市栗駒沼倉)と呼ばれる山に埋葬され、胴塚(どうづか。胴体を埋めた墓)には石碑や五輪塔などが残されていますが、少し考えるとおかしなことに気づきます。
そう、義経公が自害したのは奥州平泉の高館(たかだち。現:岩手県西磐井郡平泉町高館)なのに、どうしてわざわざ10数km以上も離れた場所に胴体を運んできたのでしょうか。
現代的な距離感覚で見れば(車で1時間ほどなので)そこまで離れた場所ではないものの、自動車もない当時の人たちが何の理由もなく他人の遺体をこんな遠方まで運ぶとは考えにくい(哀れに思った程度の動機なら、現場の近くに葬るのが普通)です。
それには何か(胴体を運んでくるだけの)理由があるのではないか?そう思って調べたところ、ある仮説が浮上してきました。
【続く】
参考文献:上横手雅敬『源義経 流浪の勇者』文英堂、2004年9月
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