夏の国民的な風物詩「盆踊り」、実は江戸時代は規制が厳しく明治期はなんと禁止令まで発動されていた!
夏といえば盆踊り。この日本に欠かせない行事である盆踊りが、なんと禁止されていた時期があったのですが、ご存知ですか?
風紀が乱れるという理由で、明治7年頃、各地で禁令が発布されました。
これは日本政府が西洋化を進めるにあたり、盆踊りが「野蛮ではないか」「下品ではないか」という考えをもっていたからで、大相撲がなくなりかけたのと同じ考えですね。
●禁止された県と時期
盆踊り禁止の布達(岐阜県) 明治七年 1873 盆踊りの禁止
盆踊り禁止の布達(奈良県) 明治七年 1873 盆踊りの禁止
盆踊り禁止の布達(愛媛県) 明治十年 1876 盆踊りの自粛勧告
盆踊り禁止の布達(愛媛県) 明治十四年 1880 盆踊りの禁止
当時の盆踊りは現代よりも仮装の趣向が強く、男性が女装したり、その逆で女性が男装したり、ボロをきたり、貴族の装いをしたり、奇抜な格好で皆の目をひこうと競い合う風潮がありました。
また、田舎では男女が一夜の契りを結んで果ては子を宿すということもあったため、明治以前よりも強く、警察により取り締まられることになりました。
この時代は何事も西洋がよいといって、カルタはだめでトランプはよい、とか、盆踊りはだめで舞踏会はよいとされていましたが、もちろん庶民にとってそんなおかしな道理が通じるわけもなく、警察側も黙認することも多かったようです。
では現代に通じる盆踊りが確立されたといわれる江戸時代はどうだったのでしょう。
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