美しすぎた男装のイケメン女剣士・中沢琴の幕末奮闘記【下・帰郷編】:3ページ目
強すぎて生涯独身!明治・大正を気ままに生きる
……さて、故郷に帰ってきた琴は「もう男装する理由もないから」と女性の姿に戻ります。
実質上の引退宣言ですが、江戸警護や庄内戦争で活躍した女剣士とあって、求婚する男性が後を絶たなかったそうです。
しかし、これと言った魅力的な男性にはなかなか出会えず、いちいち会って丁重にお断りするのも面倒になって来た琴は、求婚者たちにこんな条件(ハードル)を設けます。
「私より強い男性と結婚します!」
つまり「自分と剣術の試合をして、勝った者と結婚する」と言ったのですが、これだけでも剣術の腕前に自信のない多くの男性を篩(ふるい)にかけることが出来ました。
それでも勝負を挑んでくる腕自慢も表れたそうですが、誰一人として琴に勝てる者はなく、結局生涯独身だったそうです。
そんな事などお構いなく、琴は気ままな独り暮らしを満喫。時おり好きな酒を呑んでいい気分になると、陽気に唄って剣舞など楽しんだと伝えられますが、昔の武勇など思い出していたのかも知れません。