美男子の三助は女性客にモテモテ?江戸時代の湯屋で客の背中を流す「三助」という仕事
江戸時代の湯屋の仕事といえば「番台」を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか?忘れてはいけないのが、湯屋で客の背中を流す「三助(さんすけ)」です。三助は、男湯・女湯のどちらにも出入り自由なので、男性客としてはうらやましい限りだったのでは。
でも、三助の仕事は一日や二日でできるようになるものではありません。今回は三助の仕事内容について紹介します。
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三助になるために
三助になりたいと思ったら、まずは下積みの木拾いからスタート。釜炊きの仕事を経て、ようやく洗い場に入ることができます。ここで湯の温度の調整をするほか、洗い場の様子に気を配らないといけません。この仕事ができるようになって、一人前の三助になれるのです。
三助は、番台の拍子木の音で、男客か女客かを判断したら、湯を入れた桶を3つ持参します。客が湯から上がったら、さぁ三助の出番!垢すりまたは糠袋で背中~腕をこすったら洗い流します。
マッサージ後は、絶妙な具合で背中を「パンパン!」と叩くのですが、この音を出すのが大変。練習を重ねないと、良い音が出ないのだとか。
ほかにも、閉店後の浴槽・洗い場の掃除もあるから、かなりの力仕事。これが終わったら、翌朝の一番風呂の客のための準備をして、ようやく一日の仕事が完了するのです。
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