以前、言葉というものは時代によって意味があれこれ変化していくということをお話しました。
「ブス」という言葉は昔はぜんぜん違う意味だった。気になる「ブス」の語源とは?
今と昔で同じ言葉なのに、意味が全然違うという日本語って結構ありますよね。 例えば「うつくし」という言葉。今では「美しい」という意味になるのに対し、昔は「かわいらしさ」を表す意味でした。中学生時代に、国…
今回紹介する「やばい」という言葉も、時代によって意味が変化してきた日本語の言葉のひとつといえます。
最近では「やばい」という言葉は、「あの店のランチやばいよね~」「このラーメン、チャーシューの量やばくね?」などのように、「凄い」「魅力的」などの意味で使われることが多いようですが、筆者が10代を過ごした20年くらい前までは、「まずい」「危険」など、どちらかというとあまり好ましくない状況のときにつかっていましたね。「なんだか、やばいことに巻き込まれたぞ!」「やばい! 気をつけろ~!」なんていう風にです。
この「やばい」という言葉、国語学的には「具合の悪いさま」「不都合なさま」を意味する形容動詞「やば」を形容詞化した言葉として解説されていますが、実は他に由来があるともいわれています。
「やばい」という言葉が使われるようになったのは、江戸時代ごろから。その由来はもともと犯罪者同士の隠語だったそうです。