『風、薫る』ロスを救う『ブラッサム』へのバトン!「自分で選ぶ道」を生き抜いたヒロインの共通点とは:2ページ目
「良妻賢母」という社会規範から離れた
さらに、両作品のヒロインたちに共通しているのは「女性は家にこもって良妻賢母であるべき」という、当時押し付けられていた「女性はこう生きるもの」という社会規範に従わなかったところにあるような。
「風、薫る」のヒロインたちは、ドラマでも史実でも結婚経験があり子どもも育てていますが、「“看護という仕事”を捨て家に入って家事育児だけに専念する」ことはありませんでした。
看護のキャリアを積み重ねて、自分たちで「派出看護の会」を設立し、次世代の看護婦を育てるまでになりました。
一方、「ブラッサム」のヒロインは、恋愛と別れ・仕事を経験しつつ、自由を求めて生きることに正直であり続けた女性……というイメージ。
両作品のヒロインたちは、「誰かに選ばれて幸せにしてもらう女性」ではなく、「自分で生き方を選ぼうとする女性」という点で重なっているような気がします。
自分の人生を生きた結果、社会も変わっていく
「風、薫る」のりんと直美は最初から高い志を持ち「日本の医療を変えてやろう!」「日本中に看護婦を広めよう!」として活動していたわけではありません。
看護婦養成所で西洋の看護法を学ぶうちに、「病に苦しむ患者を助けたい」「そのために看護の知識をもっと身に付けたい」「看護婦という専門職で自立して生活したい」という、ごく身近な動機から始まりました。
そして、差別や偏見と戦ったりサポートしてくれる人々に支えてもらったりしていくうちに成長。日本に「看護」の必要さを周知し、女性が社会進出できる仕事としての「看護婦」を増やしました。
「ブラッサム」の珠も同様、「日本における女性の文学史を変えてやる!」という大義を背負って奮闘したというよりも、本が好きで「小説を書きたい」という夢を持ったところから始まるようです。
自分の夢を捨てることないという生き方が、結果的に女性として一流の作家となり、女性たちの生き方に大きな影響を与えていく、そんな素敵な女性になっていくのでしょう。
女性が生きるのが大変だった時代に、出会いや経験を大切にしつつ、困難に遭いながらも、自分らしく道を切り開いていく……そんなキラキラした魅力を持つヒロインに、また勇気や元気を分けてもらえそうです。
3ページ目 「近代化=女性の自由」ではなかった時代に生きた女性

