『風、薫る』今井教授(古川雄大)とトメ(原嶋凛)が語る看護のリアル、最終週が示す「道標」の真意とは:3ページ目
「医師と看護婦は車の両輪のごとし」
『医師と看護婦は車の両輪のごとし』
イギリスでナイチンゲールの看護に触れた、東京慈恵会医科大学の創業者・高木兼寛の言葉です。
かの地で高木は、医師と看護師が一体となって治療にあたる現場を目の当たりにし、質の高い医療は両者の連携なくしては成り立たないことを実感しました。そして帰国後、国内初となる看護婦教育所を開設したのです。(東京慈恵会医科大学附属病院 公式HP)
高木兼寛は看護の重要性を早くから認識していた人物です。
そして、大山捨松が「鹿鳴館バザー」を開催し多額の売り上げを高木に寄付したことで、日本初の看護学校・有志共立東京病院看護婦養成所を設立した人でもあります。
ドラマには登場しませんでしたが、
看護婦は医師の部下ではない。
医師と看護婦は両方で支え合わなければ成り立たない。
後半になって、その言葉の意味を感じる場面はいくつもありました。
正しく怖がることで自分守り患者を救う
一方、養成所の同期で帝都医大病院では伝染病科に配属されていた工藤トメは、看護について生徒たちに教えます。
結婚して今は「福武」となったトメは「夫が営む福武医院で看護婦として働いています」と自己紹介。すっかり大人びたトメは「労咳」(肺結核)の説明をします。
「労咳は、有効な治療法がない」と看護のリアルを聞いた生徒・中山ハル(今泉舞)は、「絶対にうつらない方法はないのですか?自分の命をかけてまで、看護はとても…」と怯えてしまいました。
「それでいいんです。怖いから慎重になる」「正しく怖がることは自分自身を守り、患者を救うことにもつながります」と答えるトメ。
以前バーンズ先生は、学生たちに「自分たちが感染しないように務めること。あなたが感染して倒れたら、患者はあなたの看護を受けられない。」と教えました。
自分を守る=未来の患者や家族を守ることという意味。
つまり、『看護婦の仕事は「自己犠牲」であってはならない。』
ということ。ナイチンゲールの教えでもありました。
新潟で、黒川医師(平埜生成)とともに赤痢が発生した村に向かったとき、りんも同行した看病婦たちに、「怖くていいんです。怖がらないと伝染してしまう。ちゃんと怖がって看護しましょう。」と伝えていましたね。

