「江戸時代=女性が抑圧された時代」は嘘?幕末の“出合茶屋”と未亡人の自由から見えてくる意外な性意識
性と実用性
江戸時代の末になると、それまでの社会規範にも少しずつ変化が見られるようになりました。
その一例が、出合茶屋と呼ばれた簡易な宿です。男女が―さらに言えば主として不倫カップルが密会するための茶屋のことで、要するに今でいうラブホテル、モーテルです。
もっとも「今でいう」などと言っても、最近の若い人はラブホもあまり利用しないそうなのでピンと来ないかも知れませんが……。
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幕末の町では、文学に登場する情緒的な恋愛とは異なる、より現実的な男女関係が広がっていたと考えられています。
当時の川柳にも、その空気は表れていました。出合茶屋で利用後の部屋を片づける様子や、連れを廊下で待たせる客などが詠まれていたのです。
ここから見えてくるのは、恥じらいより実用性を優先する感覚でした。男女関係に対する社会の見方が、少しずつ変わっていたのでしょう。
当時は、僧侶が俗世の誘惑に心を動かされる様子なども詠まれていました。宗教者に求められる規範と、実際の人間の感情との間には、すでにずれが生じていたようです。


