『豊臣兄弟!』もう後戻りはできない…お市・長政・小一郎の「覚悟」で新しい局面に突入した第15話を考察:3ページ目
「男にはわからん」姉ともの言葉は伏線に
場面は変わり、屋敷で姉・とも(宮澤エマ)とその子・万丸(よろずまる/後の豊臣秀次)と遊ぶ小一郎。
無邪気に遊ぶ子どもの姿は、その先の悲劇の前触れで不吉な感じです。
長政の嫡男・万福丸も小谷城でかわいい姿を見せていましたが、「信長に捉えられて秀吉の手で磔の刑に処される」……という、残酷な運命が。(万福丸の悲劇はこちらの記事をぜひお読みください。)
小一郎は姉に、お市を織田に戻す方法を相談したのでしょう。
子が遊ぶ様子を眺めながら「無理よ。浅井様とのことだけじゃない。お市様が織田に戻るということはお子と別れるということでしょう。無理よ。男にはわからんかもしれんけど。」
母・ともの的確な指摘。
お市を織田に戻そうと躍起になって案を考える男たちには、「母であるお市が、愛する長政の子どもを置いて自分だけ織田に戻るわけはないだろう」という発想がなかったようでした。
姉妹だろうが妻だろうが、人質になれ・政略結婚しろ・子を産め・やばい状況だから子を捨て戻ってこい……という、実に理不尽な時代です。
このドラマでは「男の武将の数だけその陰には女性がいる」という考えのもと女性も丁寧に描いています。
「戦国女性は、黙って涙を袖で押さえつつ、大人しく従う」だけではなく、「男にはわからん!」と、戦う「母の覚悟」も描いているのではないでしょうか。
※参考:
『豊臣兄弟!』息子3人を失い一族すべて処刑…豊臣秀吉の姉・とも(宮澤エマ) 激動の生涯
予告によると、浅井の忠臣・宮部継潤(ドンペイ)に、「藤吉郎の子を人質に寄越すなら織田につく」といわれ、藤吉郎は万丸を差し出そうとして、ともにブチ切れられるとか。藤吉郎は小一郎にともの説得を頼みます。
「死んでも万丸は手放さん」というともの声に、「わしらはもう百姓ではない。侍なんじゃ」という小一郎の声。
「あんたらが侍になったおかげで生活は楽になったけれども。我が子を差し出せなぞ、そんなこと承知できるかい!」と、ともにはブチ切れて欲しい……。
史実では、万丸ことのちの豊臣秀次は、元亀3年(1572)に宮部城城主・宮部継潤のもとに4歳のころ養子(事実上の人質)に出されています。浅井氏滅亡後は返してもらえると考えられていたものの、その後養子となりしばらく宮部吉継を名乗り、ついで三好廉長の養子となり三好信吉に。
さらに、秀吉が天下人への道を進み始め、側室淀殿の子・鶴松が亡くなると秀吉の養子となり豊臣秀次と名乗り、関白職を譲れますが。その後、地獄に突き落とされてしまいます。
無実ゆえの切腹!?妻子ら30余人が公開処刑、謎に包まれた戦国武将・豊臣秀次の切腹の真相
万丸の生涯を知っていると、無邪気に遊び回る姿が痛々しく感じてしまいますね。


