『豊臣兄弟!』また“弟”に裏切られるのか…織田信長と浅井長政の絆を狂わせた絶望の謀反を考察:3ページ目
覚悟を見せる長政に万福丸への配慮を伝える
相撲のあと、朝倉討伐を告げる信長。
「我らは朝倉とは古くからのよしみがあります。我が息子、万福丸も人質にとられているので、討伐に異を唱える家臣もおりましょう。その者たちはこの長政が説き伏せまする」と長政。
「お市を娶ったときからこのような日がくることは覚悟していました。存分におやりください。」と頭を下げます。
信長は、そんな長政の肩を叩き、「では、こたびの戦、浅井は近江を動かず我らの後方の守りに努めよ。浅井は朝倉討伐軍にくわわらずに状態を静観していればいい、そうすれば朝倉も万福丸には手出しはしないだろう。いずれ我らが救いだす。」という配慮を見せます。
深く感謝する長政に「この戦が終わったらまた相撲を取ろう」という信長と、握り飯を頬張りながら「つぎは私が勝ちまする!」と自信満々に答える長政。
その次の相撲は行われないことを知っているだけに、しんどい場面でしたね。
「長政のことしか見ていなかった」信長。
影響力を持つ父親・浅井久政(榎本孝明)にも根回しをしておけばよかったのに……とつい思ってしまいました。もしかしたら、信長自身は、家督をついだあとにも口出ししてくる鬱陶しい父親とやりとりする経験がなかったから、父親への根回しなどは思いつかなかったのでしょうか。
「長政との約束」と万福丸救出の命を下す信長
お市を目の敵にし「女狐」呼ばわりする浅井久政。小谷城の本丸に入り込み長政を裏切らせるように仕向ける朝倉景鏡(池内万作)。
「万福丸を見捨てるのか。あの女狐のせいですっかり腑抜けとなったか」という久政も、「そういうことなら、その元凶を取り除いてしまえば、長政殿も昔のような武将に戻られますかな」という景鏡も、実にいやらしい。
長政「市には指一本触れさせぬ!」
景鏡「万福丸様はお見捨てになっても、お市の方様は助けたいと」
長政「そうは申しておらん!」
景鏡「では、どうなされます?今この場で、お決めくだされ」
そのあと、長政が苦悩する姿など余計な場面は一切描かず。
戦いの前の宴と豊臣兄弟へ万福丸救出の命を下し「長政と約束をした…」と藤吉郎に伝える信長の場面へ。
そこにいきなり「浅井長政、謀反にございます!」の一報。もたらしたのは、信勝を斬り将来お市の再婚相手になる柴田勝家。
一気に展開する速さが、逆に長政の苦悩を物語っていると思いました。

