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『べらぼう』の感動ふたたび!総集編の前に“エンタメの神々”の胸に刺さった名場面をもう一度【チーム蔦重編】

『べらぼう』の感動ふたたび!総集編の前に“エンタメの神々”の胸に刺さった名場面をもう一度【チーム蔦重編】:4ページ目

松平定信の“神”だった恋川春町

恋川春町(岡山天音)こと倉橋格は、駿河小島藩一万石松平家の家臣で留守居役、重役加判などの要職を歴任したエリートでいながら、クリエイティブな才能に恵まれた人でした。

黄表紙本の元祖『金々先生栄花夢』であっという間にヒットメーカーになり酒上不埒という名前で、狂歌師としても活躍していました。

ドラマでは、真面目で堅物でちょっと面倒くさい感じだけれど憎めなくてかわいい……と評判に。いろいろ印象に残るエピソードはたくさんある人です。

春町は、老中・松平定信をあてこすった本が定信の逆鱗に触れ呼び出しをくらい、最初は引退して逃げ切るつもりだったのに、厳しく追及されお家や主君を守るために、切腹という悲劇的な最期を迎えてしまいました。

武士として切腹はしたものの、クリエーターとして権力に屈したわけではないと「桶に入れた豆腐(の角)に頭をぶつけて死ぬ」というオチを付けた春町。

遺書を読み返しながら、「皆に、迷惑をかける」部分に、「恩着せがましいな」と破る場面は胸が痛かった……真面目で純粋な人でした。

春町の死を定信に伝えにいった主君の松平信義(林家正蔵)。蔦重からの伝言としながら「戯ければ、腹を切られねばならぬ世とは、一体誰を幸せにするのか。」というセリフは激しい怒りが伝わってきて震える場面でした。

主君にも愛されていた春町。第47話『饅頭こわい』で、松平定信が、春町を追い詰めたのは「自分の政の中で唯一の不覚」と認め、「春町は我が神。蔦屋耕書堂は神々の集うやしろであった」と言いました。春町に聞かせたい言葉でしたね。

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