大河『豊臣兄弟!』秀吉が唯一信じた男!豊臣秀長が「天下一の補佐役」と称された理由【後編】
来年1月4日(日)放送開始のNHK大河ドラマ『豊臣兄弟!』の主人公は、兄の秀吉(演:池松壮亮)でなく弟の秀長(演:仲野太賀)です。
そして、NHKの公式ホームぺージには秀長を「兄の天下取りを一途に支え続けた『天下一の補佐役』といわれている。」と記されています。
このドラマの核心であり、物語の主題であると『天下一の補佐役』について、豊臣秀長がそのように称される所以を探っていきましょう。
【前編】の記事はこちら↓
大河『豊臣兄弟!』主人公・豊臣秀長(仲野太賀)が「天下一の補佐役」と称されていた理由【前編】
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失態に対した者に苛烈な処罰を科した秀吉
豊臣秀吉と秀長兄弟を語るうえで、まず押さえておきたいのは、「内々の儀は宗易(千利休)、外様のことは宰相(秀長)存じ候」とまで言われたように、秀吉が異母弟である秀長を心から信頼していたという点です。
そのため秀長は、大名統制をはじめとする豊臣政権の中枢を担う最重鎮として重きをなしました。しつこいようですが、秀吉がここまで深い信頼を寄せた相手は、秀長ただ一人と言っても過言ではないのです。
秀吉の人物像を語る際、しばしば「人たらし」と称され、温和でユーモラスな面が強調されます。しかし一方で、怒らせれば何をしでかすか分からないほどの冷酷非情さも備えていました。
その代表的な例として、大坂城内で側室・淀殿(演:井上和)とその女房衆が多数の男や僧侶を招き入れ乱行に及んだことが発覚した際、女房衆のみならず男や僧侶までことごとく斬首に処した事件が挙げられます。ほかにも、聚楽第の城門に秀吉を非難する落書が貼られた際、犯人を捕らえられなかった門番衆の目鼻を削いだうえ逆さ磔にして処刑しています。
このように、失態を犯した者への処罰はきわめて苛烈でした。実は秀長もまた、1589年(天正16年)に配下の吉川平介が熊野の木材2万余本を伐採し、大坂で販売して得た代金を着服したことが露見し処刑された際、秀吉から厳しく監督責任を問われています。
この時、秀吉はよほど腹に据えかねたのか、最重鎮である秀長でさえ翌年正月の礼への拝謁を許しませんでした。ただし、さすがにそれ以上の咎めはなかったようです。それは心底、秀長のことを大切な存在とみなしていた証と考えて間違いないでしょう。





