大河『豊臣兄弟!』主人公・豊臣秀長以外は皆殺し…秀吉が兄弟姉妹に課した残虐な仕打ちの数々
半年後のことになるのですが、来年(2026年)のNHK大河ドラマは、2年ぶりに戦国時代をテーマとした『豊臣兄弟!』に決定しました。
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『豊臣兄弟!』というタイトルから、兄・豊臣秀吉(演:池松壮亮)と弟・豊臣秀長(演:仲野太賀)二人の物語と思いきや、なんと主人公は弟の秀長というから少し驚きです。
跡継ぎである男子にはなかなか恵まれなかった秀吉ですが、実は兄弟・姉妹は複数いたことが知られています。
本稿では、『豊臣兄弟!』の主人公である豊臣秀長を中心に、秀吉が兄弟姉妹に対してどのように接したか、その衝撃的な史実を紹介しましょう。
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秀吉が信頼した唯一の異母弟・豊臣秀長
NHKの『豊臣兄弟!』公式ホームページによると、豊臣秀長のプロフィールにはこうあります。
「天下人・豊臣秀吉の弟。登場時の名は小一郎(こいちろう)。兄の天下取りを一途に支え続けた『天下一の補佐役』といわれている。」
小一郎、後の秀長は、定説では秀吉の異父弟とされますが、同じ父であったという説もあります。後述する朝日姫も父親については定かではないので、このことから、彼らの母・仲(なか・大政所)の若い頃の境遇が伺えるでしょう。
仲は、織田家の雑兵とされる最初の夫・木下弥右衛門(秀吉の父)と死別した後、同じく織田家に仕える同朋衆と伝えられる竹阿弥と再婚し、秀長と朝日姫をもうけたというのが通説です。
しかし、この竹阿弥という人物の素性は定かではなく、弥右衛門と同一人物であるという説もあります。もしそうだとすれば、秀長と朝日姫の実父が誰であるのか、判然としないことになってしまうのです。
このような事情が後に、秀吉の兄弟姉妹を名乗る人物が現れる事態を招き、結果として彼らが悲劇的な最期を迎える要因の一つとなったとも考えられます。
ともあれ、話を豊臣秀長に戻しましょう。秀長の生年は、一般に1540(天文9)年とされており、兄・秀吉とは3歳違いということになります。
ただし、彼が武将として初めて登場する時期は明らかではありません。秀吉が織田信長のもとで出世していく中で、その補佐として秀吉の麾下に加わり、家中をまとめる役割を担っていたと考えるのが自然のようです。
そしておそらくは、秀吉が中国攻めの司令官に就任する1575(天正3)年以降、秀吉陣営の副司令官的な存在となり、武功を重ねていくと思われます。
しかし、秀長の本領は、NHKのプロフィール通り、兄・秀吉の天下統一事業を誠実に支え続けた「天下一の補佐役」ということに尽きるでしょう。
つまり秀長は、若い頃から戦いのために家を空けることが多かった秀吉に代わって家中をよく支え、その結果、豊臣家にとってなくてはならない重要な地位を確立していったと考えられるのです。
秀吉は、そんな秀長を心から信頼します。そして、「内々の儀は宗易(千利休)、外様のことは宰相(秀長)存じ候」とまで言われるように、秀長は豊臣政権を支える重鎮となっていきます。
秀吉が、これほどの信頼を寄せたのは、彼の一門衆の中で秀長ただ一人であったと言っても決して過言ではないでしょう。






