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大河『べらぼう』鳥山検校と五代目瀬川(小芝風花)の悲惨なその後…咲くも散りゆく4本の徒花【後編】

大河『べらぼう』鳥山検校と五代目瀬川(小芝風花)の悲惨なその後…咲くも散りゆく4本の徒花【後編】:2ページ目

二人は相思相愛になるものの、新之助はお金がありません。うつせみは自分の揚代をかせぐため無理をして乱暴な客を取り金を稼ぎます。彼女を独占したい気持ちが強まる新之助は、ある日うつせみの腕に「長十郎様命」という刺青が彫られているのを見付けます。

実は、遊女に刺青を彫り痛がる様子を楽しむ下衆な客もとっていたのです。前回の「べらぼう」で、うつせみの首に絞められたような赤い跡があったのですが、金を稼ぐためサディストな客もとっていたのでしょう。

一刻もそんな地獄から解放したい二人は駆け落ちを決意。当時、遊女の駆け落ちや足抜けは本人も妓楼も重罪なうえ、遊女を一人前にためにお金や時間をかけて育てているので妓楼は必死で探します。

結局捕まってしまったうつせみと新之助は厳しい罰を受けることになりました。松葉屋の庭の木にしばられ水を浴びせかけられるうつせみと、ぼこぼこにされる新之助。そんな二人の駆け落ちの失敗は、蔦重と花の井が決心した逃亡計画に陰を落としたのでした。

勇気を奮ったうつせみと新之助の間に咲いた恋の花も、無惨に手折られた徒花で終わってしまいました。その徒花は、底が見えない泥の中からまっすぐ空に向かって伸び、「救ってください」「救済」の花言葉を持つハスの花のように感じました。

3ページ目 舞を通して愛しい人を想う。ひと夜の夢の徒花

 

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