
大河『べらぼう』鳥山検校と五代目瀬川(小芝風花)の悲惨なその後…咲くも散りゆく4本の徒花【後編】:4ページ目
源内に蔦重との仲を尋ねられ、「重三が誰かに惚れるなんてござんすのかねえ。
どの子も可愛いや、誰にも惚れぬ。あれはそういう男でありんすよ」と答える花の井。
源内は瀬川の報われない切ない恋心を察したのでした。
亡くなった恋人を恋しく思う気持ちを汲み取り、男装して舞ったくれた花の井への感謝の気持ちだったのでしょう。源内は、蔦重に懇願されていた「序文」を紙に書き知るし、妓楼を去っていったのでした。
男女の関係はなかったものの、お互いの気持ちが通じ合い一晩だけ咲いて消えた徒花。
「ただ一度だけ会いたくて」という花言葉を持ち、一晩だけ花開く月下美人になぞらえたいと思います。
春夏秋冬、季節は移り変われども、夜のとばりが落ちて赤いぼんぼりが灯ると、遊女との出会いを求めた客で賑わう吉原。優雅で煌びやかに見えるものの、うっかり恋にハマって足を踏み外してしまうと、待ち受けているのは真っ暗な奈落です。
今回ご紹介した登場人物たちは今後、どのような花を咲かせるのでしょうか。