
大河ドラマ「べらぼう」のラスボス、実は田安賢丸(寺田心)?ほか…1月26日放送の振り返り&レビュー:2ページ目
錦絵とは?浮世絵とは違うの?
吉原に対する思いを買われ、忘八たちが蔦屋重三郎に持ちかけた錦絵の案件。
まったく「口はいいから手(協力)とカネを出せ」ってモンですが……現代でもビジネスあるあるですね。
それはそうと、錦絵って何だ?と思われた方も少なくないのではないでしょうか。浮世絵との違いもよく分かりません。
ざっくり言うと、錦絵とは浮世絵の一種で、名前の由来はその鮮やかさでした。
浮世絵とは?錦絵との違いや版画ではない肉筆浮世絵など作品と共に紹介します
浮世絵とは?浮世絵とは江戸時代に成立した絵画で、日本画のジャンルの一つです。浮世絵の"浮世"とは元々は「現代風な」「当世風な」「好色」といった意味を持っており、浮世絵で描かれるテーマはその時代の暮…
浮世絵の種類には諸説ありますが、主なものをピックアップすると、このようになるでしょうか。
浮世絵の種類
- モノクロ……墨摺(すみずり)
- 黒+α……漆絵(うるしえ)
- 黒+手彩色……丹絵(たんえ)・紅絵(べにえ)
- 2~5色版画……紅摺絵(べにずりえ)
- 多色版画……錦絵(にしきえ)
- 黒+多色……合羽絵(かっぱえ)
- 石版画……石摺絵(いしずりえ)
※厳密には異なるケースもあります。また細かな説明は長くなるため割愛します。
従来は単色(モノクロ)の版画に手で色をつけていましたが、見当をつけることで色を組み合わせたり重ねたりできるようになりました。
色をにじませずに組み合わせ、あえて重ね合わせることで絶妙な色合いを生み出す技巧に、江戸職人の苦心と誇りが偲ばれます。
その集大成が錦絵であり、他の作品に比べて多くの手がかかったことから、版行費用がかかったのです。劇中では「1~2両で200枚摺れる」と言っていました。
1両の価値については諸説ありますが、仮に10~30万円/両とした場合、10~60万円で200枚すなわち浮世絵1枚あたり500~3,000円となるようです。
一枚絵としてなら払えない金額でもありませんが、これを販売するとなると別のコストや利益も乗せなければなりません。
高価な商品を取り扱うには、まだまだ「名」が認められない蔦重でした。若いうちは、どうしてもこういう壁にぶち当たりますよね。