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幕末の倒幕運動は“偽金”で動いていた!諸藩が手を染めた犯罪級の資金調達の実像

幕末の倒幕運動は“偽金”で動いていた!諸藩が手を染めた犯罪級の資金調達の実像

 
2026/04/29

「奪税」の発想

幕末期の日本では、幕府も諸藩も深刻な財政難にあえいでいました。

そこで、幕府は開国による軍艦購入などで支出が急増し、万延二分金の改鋳でなんとか収益を得ようとします。

江戸幕府は、長年にわたり金貨・銀貨・銅銭・鉄銭の鋳造を独占し、額面価値と金属価値の差を利益として吸い上げる貨幣鋳造益を大きな財源としていました。

よって、この方式を強化することで財政難を乗り切ろうとするのは自然な発想だったと言えるでしょう。

しかし、この利益を幕府だけが独占する状況は、諸藩にとって見過ごせないものでした。

諸藩は幕府から直接課税されない立場とはいえ、参勤交代や天下普請などの負担が重く、財政は幕府以上に厳しい状態だったのです。

さらにペリー来航以降、幕府の国防力への不信が高まり、いよいよ討幕の空気が広がっていきます。

しかし倒幕するにもカネが必要です。そこで諸藩の中で芽生えたのが、幕府の改鋳利益を“横取り”するという発想でした。

こうして生まれたのが、後に倒幕運動を支える資金源となった偽造二分金の製造です。

偽造の現場

幕府が改鋳で莫大な利益を得ているのなら、自分たちも同じ方法で資金を得よう……そう考えた諸藩は、万延二分金の偽造を行うようになりました。

万延二分金は、万延元年に鋳造が開始された通貨のこと。これに対して偽造二分金とは、要するに金の含有量を減らした質の悪いカネのことです。

これは幕府の財源を奪うという意味で、脱税ならぬ奪税と呼べる行為でした。

この奪税には薩摩・土佐・安芸・会津・仙台・加賀など、討幕派・佐幕派を問わず財政力のある多くの藩が関与していたとされています。

特に薩摩藩はわざわざ江戸から技術者を呼び寄せ、早い段階から大規模な偽造を進めていました。これだけでも本気度が分かりますね。

ちなみに長州藩は万延二分金ではなく、天保通宝の偽造を大規模に行っていたと見られています。

さらに、かの坂本龍馬も偽金製造に強い関心を持ち、土佐藩に偽造を献策した記録が残っています。

龍馬は土佐藩士の岡内俊太郎に「薩摩から偽二分金を持ち帰る」極秘任務を命じていますし、土佐藩は龍馬の死後に秘密工場を設けて偽造を本格化させました。

もはや犯罪組織です。倒幕運動の裏側では、こうした影の資金調達が大きな役割を果たしていたのです。

2ページ目 偽金の経済

 

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