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大河ドラマ「どうする家康」史実をもとにライター角田晶生が振り返る 「どうする家康」きらめく星空の下、ロマンチックに語らう二人。第35回放送「欲望の怪物」振り返り

「どうする家康」きらめく星空の下、ロマンチックに語らう二人。第35回放送「欲望の怪物」振り返り

石田三成について

星を見ていた一人の男、彼こそは豊臣家中きっての切れ者と名高い石田三成(中村七之助)。後に家康とは天下分け目の関ヶ原で雌雄を決するライバルですね。

「切れ者」と紹介されて否定も謙遜もしない辺り、非常にすぐれた才覚を自負していることが伝わる名演技でした(正直、観ていてちょっとヒヤヒヤしました)。

しかし二人の初対面は非常に好感触。南蛮から伝わる星座の講釈から、オリジナル星座の妄想まで、和気あいあいと楽しいひとときを共有します。

最初、星を見ていると聞いて「お、さすが切れ者。天文を読んで天下の趨勢を占い、あるいは戦略を練るなどしているのだな?」と思った筆者はずっこけそうになりました。

秀長クラスの重臣ですら滅多に会えないほど多忙を極めている筈なのに、何をそんなメルヘンなことやっているのですか(苦笑)

三成の言う通り「古い考えにとらわれていてはいけない」のかも知れませんが、その(現代から見れば)古い考えを楽しむのが時代劇の醍醐味というもの。

三成×家康のロマンチックなひとときも斬新ですが、戦国乱世らしいロマン(戦略や戦術、政治的駆け引き等)も出来れば提供してほしいところです。

第36回放送「於愛日記」

さて、北条との対決に向けて、浜松から駿府に本拠地を移転する我らが神の君。

※家康たちが別れを告げていたものの、別に浜松を放棄するではありません。わざわざお別れセレモニーを開いて、領民たちに家康をわざとらしく賞賛させる展開は、何だかどこぞの独裁国家みたいに感じました。

さて、引越し最中に日記を開いた於愛(広瀬アリス)は、近ごろ近眼が再発してしまったらしく、家康のお尻をペチン。今回はコンタクトレンズ(使い捨てタイプ)を切らしてしまったのでしょうか。

そんな次回のサブタイトルは「於愛日記」。史実だと於愛(西郷局)は天正17年(1589年)に亡くなるので、そろそろ退場する彼女に焦点を絞るのでしょう。

ちなみに家康の継室である旭も天正18年(1590年)に亡くなるので、家康はフリー扱いとなる予定です(実際には複数の側室が既に存在)。

彼女たちと入れ替わるように現れる予定の阿茶局(松本若菜)、彼女が新たなヒロインとして待機しています。

果たして於愛はどんな最期を遂げるのでしょうか(旭は帰洛してセリフ死と予想)。次週も目が離せませんね!

※参考文献:

  • 『徳川実紀 第壹編』国立国会図書館デジタルコレクション
  • 岡谷繁実『名将言行録 6』岩波文庫、国立国会図書館デジタルコレクション
  • 本多隆成『定本 徳川家康』吉川弘文館、2010年12月
 

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