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「信長公記」で辿る。徳川家康ご一行、安土城で織田信長に歓迎されるの巻【どうする家康】:2ページ目
5月19日~20日、信長と一緒に舞台見物
五月十九日 安土御山於惣見寺 幸若八郎九郎大夫ニ舞をまハせ次之日ハ四座之内ハ不珍丹波猿楽梅若大夫ニ能をさせ 家康公被召列候衆今度道中辛労を忘申様尓見物させ申さるへき旨 上意ニ而御桟敷之内 近衛殿 信長公 家康公 穴山梅雪……
※『信長公記』巻之下 ○巻之十五(天正十年壬午) (二十七)幸若大夫梅若大夫事
「よく来たな。一緒に舞台を見に行こうじゃないか」
先月の富士遊覧道中で別れて以来、寂しかった信長は大喜びで家康たちを迎えます。安土城内に建立した惣見寺で、八郎九郎大夫(はちろうくろうだゆう)の幸若舞を見物。
特等席の座順は、太政大臣の近衛前久(このゑ さきひさ)・信長・家康そして穴山梅雪(以下略)。家康と一緒で、さぞ嬉しかったことでしょう。
翌20日は梅若大夫(うめわかだゆう)に猿楽を舞わせ、昨日の幸若舞ともども実に見事なものでした。これには家康も道中の苦労を忘れ、心ゆくまで楽しんだようです。
5月20日、信長自らおもてなし
五月廿日 惟住五郎左衛門 堀久太郎 長谷川竹 菅屋玖右衛門 四人尓 徳川家康公御振舞之御仕立被仰付御座敷ハ高雲寺御殿 家康公 穴山梅雪 石河伯耆 酒井左衛門尉 此外家老之衆御食被下忝も 信長公御自身御膳を居させられ御崇敬不斜御食過候て 家康公御伴衆上下不残安土御山へ被召寄御帷被下御馳走申計なし
※『信長公記』巻之下 ○巻之十五(天正十年壬午) (二十七)幸若大夫梅若大夫事
信長は丹羽長秀と掘秀政(ほり ひでまさ。久太郎)、長谷川秀一(はせがわ ひでかず。竹、竹丸)そして菅屋長頼(すがや ながより)の4名を家康の接待役に指名。高雲寺(こううんじ)御殿にて盛大な饗宴が開かれました。
この時、家康と一緒にいたのは石川数正(演:松重豊。伯耆)・酒井忠次(演:大森南朋。左衛門尉)など。
上機嫌の信長は、彼ら家臣たちに対しても自らお酌してやったと言います。泣く子も黙る「第六天魔王」のお酌なんて、さぞ恐ろしかったことでしょうね。
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