嘘か真か?大坂夏の陣で徳川家康を追い詰めた伝説の兵器・地雷火(じらいか)の謎
大坂夏の陣の「地雷」!?
『太平洋の世紀』という20年ほど前に発行された書籍を読んでいて、「関ヶ原の戦いでは地雷が使われた」という記述を見かけました。
こう書かれること自体はおかしいことではなく、実際、大坂夏の陣で徳川家康が真田信繁に「地雷火(じらいか)」という兵器によって苦しめられた、という伝説は今でもまことしやかに語り継がれています。
この「地雷火」とは何だったのでしょうか。記録によると、着弾と同時に火薬によって銃を撃ったような状態になる爆弾であるとか、あるいは異様な臭気を放つガス兵器のようなものだとか、はたまた着弾すると虫が飛び出す生物兵器めいたものだとか、いろいろ言われています。
少なくとも、現代に生きる私たちが「地雷」という文字から連想するものとはだいぶ違うようです。
当時これがどのように使われたのかというと、大坂夏の陣で家康が平野に呼び出され、そこで地雷火による焼き討ちに遭って全身を火傷して命からがら逃げだした――というのです。
逃亡した家康は、伊達政宗などの諸将に助けられたものの、真田配下の根津甚八や増田兵太夫にまた追い詰められます。彼はいよいよ切腹する間際まで追い詰められましたが、襲撃に次ぐ襲撃、逃走に次ぐ逃走でなんとか九死に一生を得たのでした。
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