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「馬鹿(バカ)」の語源はサンスクリット語? 実はこんなにあった語源説。あなたはどれを支持する?
こんにちは!筆者の周りだけでしょうか? 最近SNSなどでも簡単に人のことを「馬鹿」と罵る人が増えてきましたね!とても残念に思います。
鎌倉時代末期のことを記した『太平記』「には、「かかるところに、いかなる推参の馬鹿者にてありけん」(太平記:巻第十六)という記載が見られ、これが最古のものだとされています。また、室町中期に書かれたとされる『文明本説用集』の中には、馬鹿の異表記として「母娘」「馬娘」「破家」などもみられ、「狼藉之義也」と説明しています。
さて、ところでこの「馬鹿」の語源ってなんなんだ? ということで「馬鹿」の語源、調べてみました。
まず、筆者は、「馬鹿」の語源は、『史記(秦始皇本紀)』の故事「鹿をさして馬となす」から来ている言葉だと思い込んでいました。
これは、秦の趙高が二世皇帝に、自分の言うことを聞く家臣かどうか試すために、鹿を「馬である」と言って献じたところ、群臣は趙高の権勢を恐れて「馬です」と答えたが、「鹿」と答えた者は暗殺されたという故事からきたとする考え方です。
このことから、「馬鹿」という言葉は、自分の権勢をよいことに矛盾したことを押し通す人のことを指す言葉となったとする立場のものですが、しかし、よくよく考えてみると、これは中国で起きた出来事であり、また、漢文では「馬鹿」は「ばろく」と読むため、これを信憑性の高い説とするのは難しいようです。
また、「破産する」という意味の「破家」から「破産するほど愚かな者」という「破家者」となり「馬鹿者」となった説、あるいは、白居易の白氏文集にある、裕福な馬氏が散財して家が荒れ果てたという話から、「馬家の者」が、「馬鹿者」となった説。「若者」の読みが転じて馬鹿者」となった説、古語の「をこ(愚かな事)」がなまった説など、いろいろあります。しかし、どれも決定打にかけます。
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